「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2014年10月号から。
特集は辻まさ野句集『柿と母』。
今号から関悦史連載「平成の名句集を読む」開始。第1回は高野ムツオ句集『萬の翅』について。
夢の中まぬがれがたく鵜の匂ふ 武藤紀子
梅の実のほたりと落ちし其処に翳 中田 剛
先生と丸太に坐り夏鶯 白石喜久子
炎天に一本針のごとく塔 江部幸夫
麻酔醒めICUの夜長かな 大平和男
栗の花大きな書斎遺されし 辻まさ野
日焼子の胸ふくらめば少女かな 浅野春生
主宰武藤紀子インタビューの連載が続いているが、長谷川櫂だけでなく、師事すべき若手(この発想も普通あまりしないと思うのだが)の候補として攝津幸彦、田中裕明も考えていたという。両者とも夭折してしまったが。
《紀子 田中裕明なんだけど(と、今回はいきなりはじまる)。十年くらい前かな、若い人で誰かにつくとしたら誰かしらんって思ったときに、三人思い付いたんだわ。一人が攝津幸彦、「南国に死して御恩のみなみかぜ」が代表句。(中略)この三人はこれからの俳句界に伸(の)す人だと思ったの。
まず攝津幸彦さんなんだけど、とにかく句も分んないんだけど絶対この人と思ったの。(中略)今になってみたらみんな攝津さんのことを結構書いてるし、絶対忘れられない人として残っているのよ。私の目は節穴じゃなかったわと。》
《田中裕明さんは(中略)上手な句を作ってはってさ、やっぱりすごいなと思ったの。だけど何て言うかな、作る俳句が私と違ってた。魚目先生とも違うけど、繊細というとおかしいけど、感覚的に震えた感じ。(中略)自分にないものを追いかけたいけど、無いものを追いかけても無駄だろう。だからそっちに行くのあきらめた。》(連載(5) たてがみの摑み方―主宰インタビュー⑤― インタビュアー:橋本小たか)
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