2014年
ふらんす堂
『向日葵の午後』は岡本紗矢(1956 - )の第1句集。2002年の作句開始から2013年までの316句を収録。
栞=鳥居真理子、序文=矢島渚男。
滴りに乱調のなき深山かな
四十億年過ぎて我あり流氷と
水に浮き雲眺めゐる夏休み
晩夏の沖鯨見つける天才と
紫陽花の骸の寺を青揚羽
一瞬の自死向日葵の午後続く
吉備真備漂着の浜鳥雲に
七十億人地球を暑く暑くして
ヒッグス粒子思へば芋の露光る
ギリシャ数字アラビア数字年歩む
土の家に呪文のやうな唐辛子
風止めば時間の止まる花野かな
裏山の静けさ蒲団重ねをり
寒卵扉を開けるまで一人
春隣古墳をノックして帰る
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Galina Ustvolskaya - Sonata for violin and piano
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