2014年
角川学芸出版
『かもめ』は『水時計』以後の10年間、2002年から2012年の作をまとめた句集。
山中葛子(1937 - )は同人誌「炎星」「黒」「俳句評論」を経て「海程」創刊同人。
句集に『魚の流れ』『縄の叙景』『山中葛子句集』『青葉天井』『球』『水時計』。
実感に根差した力強さと、阿部完市的な言葉の向こうの空白志向のアマルガムのような作風。
白鷺のしずかなゲーム信長忌
稲妻走るとても大きな説明だ
加害者とついになりしかしゃぼん玉
あっこれは象のまばたき春の雷
からっぽの舟すれ違う天の川
なんばんぎせる一本道をゆけば海
いいことあって一人静を移植する
流木に胸骨あれば寒かろう
春の人超新星はまだ見ぬか
いざというときの六感浮いて来い
どこにでもいる青虫と虚空まで
こんじきにさしかかりしか凧の糸
なにもせぬ朧の少女を溺愛す
下総やしーんと葱の花浮いて
海鳥の全部が消えて白鳥座
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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John Cage's Sixteen Dances, conducted by Steed Cowart
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