ウェブマガジンを拠点に活動している「スピカ」の、紙媒体での第1号(2011年10月)が出た。
定期刊行の予定はなく、何か企画すべきものが出てきたら次号を作るという予定らしい。
第1号の特集は「男性俳句」。
巻頭にスピカの3人の新作も載っているが、座談会、評論・エッセイが中心で全80ページとかなりボリュームがある。
特集記事としてはまず座談会が2本。
スピカ(神野紗希・江渡華子・野口る理)とわれわれSST(榮猿丸・関悦史・鴇田智哉)の座談会、そしてスピカ+佐藤文香・日下野由季の、こちらは女性ばかりの座談会。
評論・エッセイは芳賀祥子、阪西敦子、堀本裕樹、野口る理、外山一機。
それに「小特集 ふたりの鈴木」で、江渡華子が鈴木真砂女を、村越敦が鈴木しづ子を論じていて、ここに真砂女の孫で現「卯波」店主・今田宗男へのインタヴューがつく。
他に特集外の評論で野呂順子による漱石俳句論、ウェブマガジンからの採録記事数本という構成。
なお執筆者プロフィールの私の項に「句集『六十億本の回転する曲がつた棒』」というのが入っているが、これは延び延びになってしまっていて、現在のところまだ刊行されていない。
角川「俳句」への広告などは既に出てしまっているし、年内には出るらしいのだが。
触つてごらん眠りたる青蛙 江渡華子
暑中見舞たまりし女子寮のポスト
ある星の末期の光来つつあり 神野紗希
紫陽花を伐る刃に紫陽花が映る
館員のしづかに走る薄暑かな 野口る理
黄のダリア髪結ふためのゴム咥へ
野口る理は、これも年内に出る予定のアンソロジー『俳コレ』に入集。
その選句と小論は私が担当させていただいている。
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