ツイッターやブログなどで既に話題になっているが、ファッション雑誌「SPUR」2011年12月号が、計8ページほどだが俳句を載せている。
「モードなわたくしが、ここで一句!」という題で、これで少々手に取る気が失せるが、中身は意外に清新。
参加しているのは「spica」や「hi→」を中心とする若い女性12人、江渡華子、小川楓子、衣衣、神野紗希、小林鮎美、佐藤文香、楢山恵都、西岡伊吹、野口ま綾、野口る理、日比藍子、矢野玲奈(このうち楢山恵都、衣衣、日比藍子の3人は俳句未経験らしい)。
このメンバーに句会をやってもらい(その模様も撮影・掲載されている)、今回の企画に合わせてファッション的な言葉を織り込んだ冬の句を作ってもらう。
そして出来た句に合わせてファッションフォトを撮影するという手順だったらしい。
俳句と写真(映像)は安易に合わせると、写真が俳句のイメージを限定して狭くしてしまったり、逆に同じモチーフを含んでいるのに相互に邪魔にならない場合は、句の密度不足があらわにされてしまったりということにもなりかねないのだが、この企画はそうした弊をかなり免れている。
視覚的には写真が主の構成となるので俳句が商品画像の単なるキャッチコピーのようにも見えるが、コピーには収まりきらない強かさがあって、これは五七五定型の齎したバネかもしれない。
どういう写真と合わせられているかは誌面をご覧になってください。
外套の襟たてるとき詩人なる 江渡華子
冬帝を迎へ撃ちたるプラダかな 矢野玲奈
落日や手袋は手を待つかたち 野口る理
トルコ石つぶして混ぜてセーターに 日比藍子
臘月のジーンズ破るようにはく 野口ま綾
オーバーの裏地ひやりと星の冬 西岡伊吹
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Rosas Danst Rosas Anne Teresa de Keersmaeker 3
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