頂いてからちょっと経ってしまったが「百鳥」(大串章主宰)の2010年9月号から。
今年の角川俳句賞受賞者、望月周氏の所属誌。
刈草のまだ新しき湖畔かな 大串章
あぢさゐの隙間より母見てゐる子
蝉の穴大きな蟻の出てきたる 中山世一
紫陽花に三輪車の子消えにけり 藤井淑子
杜若ひねもす雲の淡きかな 望月周
あをあをと累累と苔宗祇の墓 阿部いく子
万緑の新居へ運ぶピアノかな 大串若竹
短夜や地球の裏側よりLIVE 鎌倉ひろし
縞馬の縞対称の涼しさよ 久保田哲子
大夏野杉の化石の眠りけり 佐藤京子
花のごと苔の中なる梅雨茸 菅原光恵
ガーベラや小児病棟新設中 永井由利子
雲の峰ごみ収集車連なりて 横山庄一
全体としては農村の明快な風景写真といったものを想起させる句が多かったので、抄出した句はこの雑誌の主流からはやや外れるものが多いのかもしれない。
「現代俳句月評」のコーナーで青池亘氏が、「俳壇」7月号に出した拙句《平井太郎が遠藤平吉土蔵に蚊》(「それぞれ江戸川乱歩と怪人二十面相の本名」と左注)の鑑賞を書いてくださっている。遅まきながらありがとうございました。
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