今月は再読が多かった。
装幀が懐かしいのでは河野典生『悪漢図鑑』。70年代以前の新宿を若者の話し言葉で描いた短篇集としては、これと『ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ』が双璧か。河野典生は最近電子書籍化が進んでいる。
小松左京『復活の日』は昔、映画のスチール写真が表紙のを持っていたはずなのだが、売ってしまい、古本屋で見つけて買い戻した。
吉行淳之介『私の文学放浪』角川文庫・1975年
《これは知的で正確なデッサンによるきわめて現代的な“芸術家の自画像”と呼ぶにふさわしい名エッセイである。
出発以来、最も尖鋭に“性”を追求して、「娼婦の部屋」「闇のなかの祝祭」「砂の上の植物群」「暗室」等、数々の名作をうんだ作家・吉行淳之介。
本書は、その文学観、文学的交流と交友を語る文学自伝であり、著者の豊かな人間性と優しさ、ユーモアを感じさせる。文学的断章・小論数編を併録し、年譜を付した。》
講談社文芸文庫版
黒井千次『時間』角川文庫・1975年(芸術選奨新人賞)
《二人の間に存在するのは、重く流れる二種類の〈時間〉なのだろうか。――かつては学生運動の先頭に立ち卒業すると就職し、今では企業の中堅となっている「彼」と、メーデーの日に捕えられて起訴され、以来15年間、メーデー事件の被告として生きてきた三浦。
切実な自己の経験に根ざしたモチーフから、〈管理された時間〉のなかで暮す勤人の意識と行動を描き、戦後状況の風化を巧みに物語って、芸術選奨新人賞を得た、著者の一頂点を示す代表作。他5篇を収める初期秀作集。》
収録作品=二つの夜/聖産業週間/穴と空/時間/騎士グーダス/空砲に弾を
西村京太郎『寝台特急八分停車』カドカワノベルズ・1986年
《ブルートレインの八分停車を利用して、人が殺されるり!? 亀井刑事は、腎臓結石で病院にいる時、レントゲン室で男が人を殺してやると言っているのを聞いた。該当するブルートレインは6本。十津川警部と亀井は推理に推理を重ね、問題のブルートレインは「出雲3号」と推測したが…。
殺人、そして殺人。スピーディな展開と意外な結末。十津川と亀井の名コンビで贈る、長編トラベル・ミステリー》
《●作者のことば
夜の闇の中を疾走するブルートレインも絵になるが、
駅のホームに、ゆっくりと身体を休めているブルートレインも、素敵である。
それが、終着駅でなく、
途中駅の場合、美しく逞しい動物が、次の跳躍に備えて、
息をひそめているように思えてならない。
その獲物は、いったい何だろうか。》
西村京太郎『祝日に殺人の列車が走る』カドカワノベルズ・1988年
《ラジオの深夜放送のリクエスト葉書で〈祝日に殺人の列車が走る〉という十津川宛の挑戦状が届けられた。そして五月の連休最後の日、特急「有明」の車内で殺人事件がおこった。被害者は千億円近い資産を持ち、二人の息子と五人の女がいた。そして第二の殺人が……。
容疑は二人の息子へ。莫大な遺産をめぐり、愛人と息子達の骨肉の争い。土壇場に追いつめられた十津川警部に策はあるのか!? 興奮のトラベルミステリー!!》
《●作者のことば
小学校の頃は、祝日は、学校が休みになるので、無条件に楽しかった。
その頃から、電車が好きだったから、休みの日には、
近くの、踏切りに行き、通過する電車を、
何時間も眺めていたことがある。
大人になると、祝日は必ずしも、楽しさだけとは限らないことがわかる。時には、殺人だって起きるのだから。》
夢枕獏『妖樹・あやかしのき』トクマノベルズ・1987年
《時は古代インド。聖典の神々が住むといわれる雪山へ旅立った、若き王子・アーモンと従者・ヴァシタは、雨宿りに山中の石小屋へ立ち寄る。そこで出会ったのは、士族とおぼしき四人組、不敵な面構えの剛の者たちであった。いわくありげなこの連中と酒を酌みかわしていると、一人の男が何物かに追われて駆け込んできた。どうやら彼らは、永遠の腐老樹を于に入れるため、ラ・ホーの国へ潜り込む気らしい。その国から無事帰還した者は未だないといわれている。そして、この石小屋こそ、魔界への入口だったのだ……。》
《釣り、山歩きに加えカヌーを始めた自然児・夢枕摸。忙しい合間を縫って、日本各地の急流に挑んでいる。待望の上梓となった印度怪鬼譚、その主人公アーモンは、これまで氏によって紡ぎだされたヒーロー達の、いわば原型ともいうべき存在である。超然とした風格は、自然に親しむ氏を彷彿させるものがある。》
夢枕獏『月の王』トクマノベルズ・1989年
《「世の中には、わざわざ飢えた魔の顎の中へ首を突っ込みたがる輩が本当にいるのでございますよ。我が殿アーモンさまも、そのおひとりでございましてな。かような所業をなさろうというのも、全ては退屈から始まったこと。人語を解する獄の話にいたく興味をもたれ、シヴァ神が舞い降りるという聖なるムリカンダ山へ出掛けたのでございます。旅に出る度、恐ろしいことばかり。そのうえ、この山には月の種族が棲むと、皆が怯えるのでございます……」古代インドを舞台に、鬼才が紡ぎだす、美しくも怪奇な物語の数々!》
《昨夏、奔流を前にやむなく断念した天山山脈横断に、六月中旬から再挑戦する。唐の憎、玄奘三蔵が、七世紀に標した足跡を、自分の目と足で辿ってみたい――この宿願を果たすため、名古屋大学と日本山岳会の学術登山隊に途中まで同行する。一カ月あまりのコースに備え、体力づくりにも余念がない日々だ。》
エドマンド・クーパー『転位』ハヤカワSFシリーズ・1970年
《まばゆい輝きに満ち、冷たい炎を放つ美しい水晶が草の上に落ちていた。彼は身をかがめて水晶に指をのばした。瞬間、暗黒と忘却のほかにはなにもなくなった――。画家リチャード・アヴェリーの世界は、一瞬のうちに消滅したのだ。
突然、彼は三人の見知らぬ男女とともに、超高度の設備をもつ金属製の部屋にいた。彼らもまた水晶を拾ったために、この金属部屋に閉じこめられたのである。
一台の巨大なタイプライターが四人に指示を与え、行動を監視し、質問を浴びせかけた。次に気づいた時、彼らは朝日の暖かい光を浴びて、紺碧の海岸に横たわっていた。澄みきった青空、快い波の音、そして頭上高く輝く銀色の二つの月! なぜか彼らはまったく異質の世界――七〇光年かなたの異星にテレポートされていたのだった……。
彼らは狂気と正気の間をさまよった。だが絶望と恐慌に打ちひしがれながらも、四人は雄々しく勇気を奮い起して、この見知らぬ異境に力強く生きようと立ち上った。愛と友情と献身とに支えられながら!
極限状況に置かれた人間の行動と思考を抒情に満ちた筆致で描いた、名作『アンドロイド』の著者の感動長篇!》
ドン・デリーロ『天使エスメラルダ―9つの物語』新潮社・2013年
《島から出られないリゾート客。スラム街の少女と修道女。第三次世界大戦に携わる宇宙飛行士。娘たちのテレビ出演を塀の中から見守る囚人。大地震の余震に脅える音楽教師―。様々な現実を生きるアメリカ人たちの姿が、私たちの生の形をも浮き彫りにする。四人の訳者によるみずみずしく鮮明な9篇。1979年から2011年まで。現代アメリカ文学の巨匠、初の短篇集。》(「BOOK」データベースより)
渡邊一民『福永武彦とその時代』みすず書房・2014年
《「戦後への出発」から「戦後の終わり」まで―小説の新しい地平を切り開いた作家の文学的軌跡を克明にたどる。死の直前まで綴られた遺稿。》(「BOOK」データベースより)
ピエール・ルイス『ビリチスの歌』角川文庫・1977年
《この詩集の一切がルイスの創作である。本文扉の「ルイス訳、ギリシャ古詩」、参考文献などすべて虚構である。
紀元前6世紀、ギリシャ女流詩人ビリチスをあたかも実存したかのごとく想定し、その生涯における少女時代の清純、成年の濃艶な同性愛、後期の頽廃した遊女生活を自らに歌わしめてその伝記を描いた。
ギリシャ文化の崇拝者である作者がその博識と技巧を駆使しおおらかな官能美を謳い上げる。 1895年作。》
原田マハ・高橋瑞木『すべてのドアは、入り口である。―現代アートに親しむための6つのアクセス』祥伝社・2014年
《「わからない」が「面白い」に変わる現代アートのはなし。『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニーの食卓』の著者・原田マハ、水戸芸術館現代美術センター主任学芸員・高橋瑞木が新しい世界への扉を開く! 》(「BOOK」データベースより)
吉行淳之介『唇と歯』角川文庫・1979年
《その女は形のよい唇をもっている。男たちにはその唇自体が、何かを語りかけているようにも見える。
赤い唇の裏側には、白い歯がある。美しいものと、その背後にかくされた兇暴なもの。魅力的な女のなかに悪女が棲んでいる。
ヒロイン須磨子には少女時代に輪姦されたという過去がある。上京して、今は地下にあるバーの共同経営者になったが、彼女の計画は銀座に一流の店をもつことである。彼女には幾代とせき子という姉妹もいる。
須磨子と姉妹の周辺には何人もの男たちが出入りする。男と女、女と女の虚々実々の駆引き。都合の夜を舞台に、野心と欲望に彩られた凄絶なドラマが展開してゆく――。
吉行淳之介エンタテインメント小説の傑作長編。》
山田風太郎『白波五人帖』旺文社文庫・1986年
《闇の将軍として公儀に挑む日本左衛門、魔性の魅惑を湛えて無惨絵を描く弁天小僧、自訴した頭領を必死に救わんとする南郷力丸、恋人お麻と蛇地獄に情死する赤星十三郎、無情を歎じて自ら御用提灯の海へ身を投じる忠信利平。―宝暦の江戸を舞台に、策謀と悲恋渦巻くなかで、権力に抗して生きる白波五人男の運命を描く、伝奇時代ロマン。》
佐野洋『死んだ時間』講談社文庫・1975年
《CMタレント殺害事件の重要参考人、時任杏子は、なぜか自分に有利なアリバイを否定してしまう。大学病院の若き医局員、加賀はこの“愛人”の態度に不審を抱きながらも、事件解決のため奔走する。が、加賀が真相をさぐればさぐるほど、事件は意外な背景を浮かびあがらせ、思いもかけぬ方向に発展していく……。》
佐野洋『砂の階段』講談社文庫・1975年
《広告部長の見せた写真に交通事故で死んだ筈の同僚高瀬の顔があった。事故は偽装だったのか。すると未亡人が確認した死体は? 東西新聞特企部の江川は高瀬の周辺を洗う。某省の汚職を追っていたという情報、プロ野球八百長事件に巻き込まれたという噂もある。高瀬未亡人への愛に惹かれて、江川は謎を追うが……。》
日影丈吉『狐の鶏』講談社文庫・1979年(日本推理作家協会賞)
《真次は、このところ恐ろしい夢に身も凍る思いをしていた。斧を振るって兄嫁の望を自分の于で殺してしまう夢だ。 ところが、一仕事おえての午睡からさめてみると、夢そのままの光景が眼前に展開しているではないか。果して自分の行為は夢なのかうつつなのか。あやかしの世界の殺人を描く表題作ほか4編を収録。》
収録作品=狐の鶏/ねずみ/犬の生活/王とのつきあい/東天紅
日影丈吉『孤独の罠』講談社文庫・1977年
《推理小説史上、特異な位置を占める幻想の詩人日影丈吉の代表的長編。舞台は榛名山に近い寒村。縁の薄かったわが子の火葬に立ち合った仰木は、そこで奇怪な事件に巻き込まれた。一体のはずの乳児の骨が二体出てきたのだ。忌わしい事件を仕組んだ犯人の意図は? 閉鎖的因習錯綜した人間関係を追いながら謎を探る。》
眉村卓『六枚の切符』講談社文庫・1984年
《歴史の変更に挑戦するための切符、大富豪になる方法をもたらす切符、変身願望を実現する切符、超能力訓練所行きの切符、異次元世界へ脱出するための時刻表と切符、型破りの発想で転職するための切符――を手にした男たち六人の冒険の意外な結末! 非日常世界の諸相を想像力豊かに描く、野心的連作集。》
収録作品=員数外要員/三十日の夢/変身赴任/超能力訓練記/異様な時刻表/思わぬ居候
松本清張『黄色い風土』講談社文庫・1973年
《日本列島を北から南へ連続して起った六つの変死事件――奇妙な新婚旅行の男の変死と花嫁の失踪。この不可解な謎を内偵した週刊誌記者若宮四郎の取材活動は、事件の背後に暗躍する黒い集団の全貌を追及し、富士山麓の樹海に対決する。飽くなき記者魂と、現代社会に巣喰う悪への挑戦を描く本格推理の傑作。》
高橋克彦『総門谷』講談社文庫・1989年
《岩手県で一年間にわたり、UFOの目撃者が続出、そして奇怪な焼死体さえも! だが、このUFO騒動には黒い魔手が存在するらしい。
疑惑を抱く超能力者霧神顕たちは、怖るべきハワーの魔手と闘い、傷つきながらも、ついに魔の本拠・総門谷に潜入した。そこで目にした驚愕の光景とは?
構想十丑年を費したSF伝奇超大作。》
田辺聖子『中年ちゃらんぽらん』講談社文庫・1983年
《戦中、戦後を苦労して生きぬき、国家や会社の御為に、個人の幸せなどそっちのけにして頑張った中年世代。老後こそ子供や孫に囲まれて安らかでありたいと思ったが、肝心の子供たちは「わしら、知らんでえ」と冷たい。
すべてに裏切られ、似たもの年代の似たもの同士で、今後の楽しみを作ろうと不器用に努力する中年男女たちに捧げる強力な応援歌。》
荒巻義雄『カストロバルバ/ゴシック―定本荒巻義雄メタSF全集 第7巻』彩流社・2015年
《SF作家でありながら探偵小説家でもあり、建築家でもある荒巻義雄の脳内のめくるめく幻想世界が開花した連作。画家エッシャーの創りだした超建築の街「カストロバルバ」…。「物見の塔」「無窮の滝」「版画画廊」「球形住宅」で起こった不可解な連続殺人事件の謎に、“夢探偵”万治陀羅男が迫る!同じく建築的夢想世界が展開される『ゴシック』、単行本未収録の「プラトン通りの泥水浴」も併録! 》(「BOOK」データベースより)
筒井康隆『創作の極意と掟』講談社・2014年
《これは作家としての遺言である――。創作歴60年の筒井康隆が満を持して執筆した、『文学部唯野教授』実践篇とも言うべき一冊。
作家の書くものに必ず生じる「凄味」とは? 「色気」の漂う作品、人物、文章とは? 作家が恐れてはならない「揺蕩」とは?
「小説」という形式の中で、読者の想像力を遥かに超える数々の手法と技術を試してきた筒井康隆だからこそ書ける、21世紀の“文章読本”。豊富な引用を元に、小説の書き方・読み方を直伝する贅沢な指南書です。
小説界の巨人・筒井康隆が初めて明かす、目から鱗の全く新しい小説作法!》
紀田順一郎『幻島はるかなり―推理・幻想文学の七十年』松籟社・2015年
《戦後日本ミステリの隆盛に併走し、幻想怪奇文学の発掘と紹介に心血を注いだ著者による、七十余年のクロニクル。 》(「BOOK」データベースより)
レム・コールハース『S,M,L,XL+―現代都市をめぐるエッセイ』ちくま学芸文庫・2015年
《’70年代末、『錯乱のニューヨーク』で建築界の寵児となった鬼才コールハース。以来、建築家として一作ごとにセンセーションを巻き起こしてきた彼がブルース・マウと組んで’95年に刊行した『S,M,L,XL』は、1300ページを超える途方もないヴォリューム、圧倒的なヴィジュアルとあいまって、たちまち伝説の書となった。その『S,M,L,XL』の核となっているテクストをセレクト、あわせて「ジャンクスペース」などその後の問題作10篇を収録する。世界の都市の変化の最前線を深い洞察力でとらえたその思想の核心を凝縮、現代都市論/建築論にまったく新しい次元を開く衝撃の書! 》(「BOOK」データベースより)
サルトル『水いらず』新潮文庫・1971年
《性の問題をはなはだ不気味な粘液的なものとして描いて、実存主義文学の出発点に位する表題作、スペイン内乱を舞台に実存哲学のいわゆる限界状況を捉えた『壁』、実存を真正面から眺めようとしない人々の悲喜劇をテーマにした『部屋』、犯罪による人間的条件の拒否を扱った『エロストラート』、無限の可能性を秘めて生れた人間の宿命を描いた『一指導者の幼年時代』を収録。》
収録作品=水いらず/壁/部屋/エロストラート/一指導者の幼年時代
カミュ『ペスト』新潮文庫・1969年
《アルジェリアのオラン市にペストが流行したという想定のもとに、人間を絶滅させる悪との闘争を寓意的に描く長編。ペスト防止に超人的努力を続ける医師リウーを中心に強い結束が生れ、市は解放される。ペストに象徴される暴力や不正、悪や抑圧に対する集団的な反抗、連帯性の必要が強調され、カミュはこの作品の成功により戦後世代の精神的支柱と考えられるようになった。》
安部公房『終りし道の標べに』新潮文庫・1975年
《戦時中、多感な青春のドラマの上に徐々に迫りくる巨大な支配力――徴兵という国家の強制を拒否し、故郷日本を捨て、遠く満洲の地を一人、自己の占有をめざして歩きつづける「私」。何故に人間はかく在らねばならぬのか? 狭義の“故郷”と実存としての“故郷”の二重性を意識しつつ、人間の存在の条件を問いただした、著者の作家としての出発をなす記念碑的な長編小説。》
カフカ『審判』新潮文庫・1971年
《平凡な銀行員ヨーゼフ・Kは何も悪いことをしないのに、ある朝突然逮捕される。その理由をつきとめようと懸命に努力するが、不明のまま“犬のように”殺されてしまう。外界の秩序の不可解ないかがわしさを十分わきまえながら、同様に不可解な従順さで秩序の中に入れられることを切望している男を寓意的に描き、ナチス登場に象徴される次代の精神状況を予見したといわれる長編。》
飯島洋一『「らしい」建築批判』青土社・2014年
《なぜ東京オリンピックのために、ザハ・ハディドの手による新国立競技場が必要なのか。加熱する資本主義システムに加担する「ブランド」建築家たちの論理を厳密に検証。何者も国家と資本の論理から逃れられない絶望の只中で、未来の建築をいかに構想することができるのか。》(「BOOK」データベースより)
江代充『江代充詩集』現代詩文庫・2015年
《『梢にて』(萩原朔太郎賞)全篇をはじめ、第1詩集『公孫樹』から『隅角ものかくひと』まで、全7詩集から代表作を網羅。飾りのない生の起伏を巡り、書き置かれた途上の歩みをたどる。》(「BOOK」データベースより)
黒岩重吾『終着駅の女』集英社文庫・1982年
《仕事一筋、がむしゃらに生きてきた大手家具商の長瀬は、コペンハーゲンで娼婦でありながら天使のような人柄のイーゲンと知り合い、言い知れぬ解放感を味わう。妻と息子への不満、同業者への対抗心……過ぎし日の苦闘に満ちた日々を振り返り、いじらしいまでの“生”への渇望と第二の人生への旅立ちを願う男の姿を描く。表題作のほか、ヨーロッパを舞台に、現代の愛の渇きを衝く四篇を収録。
解説・難波利三》
小松左京『一宇宙人のみた太平洋戦争』集英社文庫・1981年
《短軀・短小・短足・短所・短命・短気・短見・短才、かくかくしかじかこの通り短のつくのにろくなのない。だが例外はショート・ショート。才気煥発才能無尽博覧強記のSF鬼才が、着想豊か軽妙にひねりをきかせて書上げた短い短い16篇。他に、宇宙人による日本歴史上の大事件観戦記など、単行本・文庫未収録作品中心の傑作集。 解説・土屋 裕》
収録作品=衝突/予夢/何でも見てやろう/《無題》/遺跡/よびかける石/役に立つハエ/もったいない/星からのお礼/高みに挑む/海底のおばけ/アリ/まいご/星の王子様/一日一屁/もみじ/正午にいっせいに/船と機雷
ムス・ムス星雲系生物の地球通信(江戸開城宇宙人観戦記/一宇宙人のみた太平洋戦争)
河野典生『悪漢図鑑』集英社文庫・1982年
《“新宿なんてえ街は、ぶっこわしちまえば、いいんだ。今じゃ、オレは心からそう思ってる。(「新宿桜会/1970年」)――チンピラ、女子大生、フーテンなど、いずれもちょっぴりイカれた男女が、つぎつぎに展開する冗談と暴力的ナンセンスのかずかず。表題作他五篇。
解説・長谷邦夫》
収録作品=新宿桜会一九七〇年/豚は太らせて殺せ/馬は闇の中でいななく/ゲバラとカストロ/ねえ、パパ…/われらが灼熱の時
※「新宿桜会一九七〇年」は正しくは「新宿桜会/一九七〇年」
筒井康隆編『12のアップルパイ』集英社文庫・1987年
《著者の意図がユーモア小説だったのか、どうかは兎も角として、編者の独断と偏見を最優先。時代物から未来物までと幅広く、最も高度なユーモア精神に浴れたSF的傑作、話題作12編を収録。思わず爆笑、哄笑、微笑……と、まさに五つ星マーク付き。 解説・筒井康隆》
収録作品=初春夢の宝船(遠藤周作)/はだかの部屋(星新一)/びっくりハウス(田辺聖子)/美しきスオミの夏に(五木寛之)/友情(北杜夫)/悩ましき土地(吉行淳之介)/新婚山行(新田次郎)/最後の客(生島治郎)/地震がいっぱい(豊田有恒)/ああ水中大回転(野坂昭如)/トラブル(筒井康隆)/本邦東西朝縁起覚書(小松左京)
小松左京『蟻の園』角川文庫・1980年
《――K団地の13号館で、どうにも説明のできない奇妙な事件が起こった。5歳の子供が階段の途中から転げおち、おちたとたんに消えていなくなった。消えた瞬間を、母親も団地の誰も見ていない。だが、耳を澄ましていると、5階と4階のあいだ、階段の裏側あたりから、子供の泣き声がかすかに聞こえてくる! どこがどうなっているのか、誰も知らない秘密のどんでん返しがこの建物にはあるのだろうか……。
変わりばえのしない日常生活の中で起きた不思議な事件。SF傑作特集。》
収録作品=易仙桃里記/釈迦の掌/ホクサイの世界/お茶漬の味/蟻の園
小松左京『復活の日』角川文庫・1975年
《人類に明日はあるか……。 BC(生物化学)兵器として開発された新種の細菌、それは、ちょっとした偶発事故からでも、人類を死の淵に陥れる。
――吹雪の大アルプスで小型機が墜落、黒こげの乗員と部品や胴体の破片が発見された。この機には、秘密裏に開発された猛毒性を侍つMM菌のカプセルを塔載していた。わずか摂氏5度でも気ちがいじみた増殖をはじめ、ハツカネズミが感染後5時間で98パーセント死滅! MM菌の実験データは冷酷に告げている。
春になり雪どけがはじまると、奇妙な死亡事故が報告されはじめた……。
人類滅亡の日も刻一刻と近づく。著者最高のSF長編小説。》
長山靖生『世代の正体―なぜ日本人は世代論が好きなのか』河出ブックス・2014年
《「まったく、今どきの若者は…」私たちが厭きもせず繰り返してきたその言葉。なぜ日本人はこんなにも世代論を語りたがるのか―。大正青年から、昭和一桁、焼け跡、団塊、シラケ、バブル、新人類、ロスジェネ、ゆとり、脱ゆとりまで…若者たちと、彼らをとらえる大人たちの目線をめぐる100年の物語を活写。「世代」をとおして明治後期以降を通覧する画期的な日本社会論である。》(「BOOK」データベースより)
大平徹『「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学』新潮選書・2015年
《「安定」「正確」を求める現実社会は、じつは「不規則」や「不確実さ」に満ちている。そうした「不確実性」は、時に予想もしない効果をもたらしたり、有益な働きをしてくれる。トーナメント戦での番狂わせ、犯人追跡の意外な方法、高層ビルの免震制御、時間差による攻撃手段、ホールの音響効果など、身近にある不安定現象を挙げながらその意外な効用を説く。》(「BOOK」データベースより)
山下洋輔『ドファララ門』晶文社・2014年
《祖父は司法大臣、大伯父は感化院創設者、母が遺すは“ホルーゲル”の謎!明治・大正・昭和・平成の乱世をまたぎ、自らの音楽的ルーツを探る時空自在、奇跡の自伝。》(「BOOK」データベースより)
斎藤環『猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか』青土社・2015年
《「キャラクター」「かわいい」「ヤンキー」「父性/母性」…。漫画・アニメ・アート・映画といった無数のジャンルを駆け巡り、現代を映し出す文化現象を精神分析の知見を駆使して徹底解読! 》(「BOOK」データベースより)
遠藤周作『第二怪奇小説集』講談社文庫・1977年
《霧ふかい冬のリヨンの実娘殺しを扱う「ジャニーヌ殺害事件」、夫の死を無意識に願う妻の内面を描く「共犯者」、屈折した女の復讐心をさぐる「偽作」、物に憑かれた人間の泥沼を抉る「憑かれた人」など、日常生活のひだの中に素材をもとめ、深層心理の陰影を自在な筆で掘り下げる哄笑と怪奇の好短編9編を精選収録。》
収録作品=ジャニーヌ殺害事件/共犯者/幻の女/偽作/憑かれた人/蟻の穴/人食い虎/口笛を吹く男/娘はどこに
立原正秋『永い夜』講談社文庫・1979年
《官能の行きつく果てに横たわる生の荒廃。生を支えるはずの性の力があまりにも大きく、逆に生を破壊してしまう可能性を秘めている……・性の極限には死が存在する――愛欲の深淵を通して滅びの歌をうたいあげる立直正秋作品集。「渚通り」「狂い花」「曠野」「双頭の蛇」「永い夜」の短篇5篇を収録。》
収録作品=渚通り/狂い花/曠野/双頭の蛇/永い夜
西村京太郎『東北新幹線殺人事件』カッパ・ノベルス・1983年
《開通したばかりの東北新幹線「やまびこ17号」は、蔵王トンネルを通過中だった。そのとき、グリーン車の1A席で、田名部という男が殺されていた。犯人らしい男・八木も、急停車した列車の車掌室窓から逃亡するが、白石蔵王駅近くで溺死体となって発見された。八木のポケットには、東京のOL殺害事件で消失した1Bのグリーンがあった……。警視庁の十津川警部は、地元署と合同捜査するが、三人を結ぶ手がかりはつかめない。――事件は、東北新幹線をめぐる大いなる野望と復讐劇の幕開けであった……!? 絶好調のトラベル・ミステリーの第一人者が、'83年冒頭を飾る野心大作!》
《東北新幹線が開通して、日本の鉄道は、新しい新幹線時代に入ったといわれる。
二百キロ近いスピードで、突っ走る新幹線は、確かに、東北の新しい夜明けといえるかもしれないが、建設に当たっての無理が、さまざまな問題を引き起こしていることも、事実である。
喜びと悲しみ、愛と憎悪、そうしたものが、交錯しながら、東北新幹線は、走り続けているともいえよう。
八月のある日、白とグリーンのツートーン・カラーのスマートな「やまびこ」号が、憎悪と、復讐と、死に向かって出発した。 「著者のことば」》
《強力な“サスペンス爆弾”
詩人 郷原 宏
昭和三十年代を社会派、四十年代を新本格派の時代だとすれば、昭和五十年代はトラベル・ミステリーの時代として記憶されることになるだろう。トラベル・ミステリーはいま、超特急「ひかり」号のようにミステリーの新幹線を驀進しているが、その運転席でブームを操縦しているのは、いうまでもなく西村京太郎氏である。
西村氏のトラベル・ミステリーの魅力は、スケールの大きなトリックやアリバイ崩しもさることながら、その強烈なサスペンスにあるといってよい。たくみな話術で語り出される奇想天外な事件の数々が、十津川警部のリアルで人情味あふれる名推理と相まって物語の興趣を盛り上げる。開通したばかりの東北新幹線を舞台にしたこの作品にも、いたるところに強力なサスペンス爆弾が仕掛けられていて、読者を熱く興奮させずにはおかない。》
夏樹静子『Wの悲劇』カッパ・ノベルス・1982年
《新雪に包まれた山中湖畔。日本有数の製薬会社・和辻薬品会長の別荘では、一族水入らずの正月を過ごしていた。その楽しかるべき団欒の場で、悲劇の幕は開いた! 和辻家の皆から愛されている女子大生の摩子が、大伯父にあたる当主の与兵衛を剌殺したのだ。一族の者は協力して外部からの犯行に見せかける。ただひとりの部外者で摩子の家庭教師・一条春生も、その渦に巻きこまれる。だが、その偽装工作を警察に見破られるように細工した者がいた! 事件の背後に隠された恐るべき真相とは? 名作『Yの悲劇』に挑戦する会心の本格長編推理秀作!》
《実際にはそれほど画然と書き分けられるわけでもないが、今日的な社会問題を小説の中心テーマに据える場合と、いつの世にも愉しんでもらえる面白いミステリーに仕上げたいと願って筆をとるときとがある。この作品は主にその後者のほうだろう。
女たち(Women)の悲劇といった意味あいもあるこのタイトルは、数学の世界でXYZに次ぐ未知数にはWの文字が使われる、と聞いたときから発想した。勿論それ以前に、『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』が念頭にあっかことは、申すまでもない。 「著者のことば」》
《『Wの悲劇』完成を喜ぶ
作家 エラリー・クイーン
一九八一年の夏、私と妻のローズは、夏樹静子さんとノルウェーで北極圏旅行を楽しみました。それは、ストックホルムで開かれた世界推理作家会議の帰途のことで、夏樹さんも日本推理作家協会の代表として、その会議に出席したのでした。白夜が美しいトロムセの街のグランドホテルで、夜もすがら熱っぽく『Wの悲劇』の構想を語った彼女のプロフィルが、今も私の瞼に浮かびます。
このまれにみる本格的な推理小説の骨格に魅せられた私は、プロットに関する幾つかのアドバイスを呈しました。そして今、私の提案したヒントが、完成した本書に生かされていることを知って、喜びにたえません。
閉ざされた世界での殺人事件――一見古典的な設定ですが、そこに演じられる内容は、実に推理小説の新機軸をなすものであり、これを読んで見事に騙された快感に浸らない読者はいないでしょう。 (本文解説より)》
木村則生『プロフェッショナル・チーズ読本―プロが教えるチーズの基本知識から扱い方まで』誠文堂新光社・2011年
《チーズのプロフェッショナルが教えるチーズの種類・特徴、そして保存法、作り方、楽しみ方なども掲載したチーズの魅力満載のチーズ事典。
チーズに関する知識はもちろん、よいチーズの見極め方、美味しさを保つポイント、プラトーの作り方といった実践テクニック、食事やシチュエーションに合わせたチーズのセレクト法、さらに新しいチーズの食し方まで、知識だけではなく実践におけるポイントを、わかりやすく解説する。
チーズ・プロフェッショナルを目指す人、レストランやワインバーのサービスマン、チーズ愛好家のためのチーズバイブル。》
栗田昌裕『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』PHP研究所・2013年
《不思議な蝶アサギマダラ。
アサギマダラはタテハチョウ科の蝶で、大きさはアゲハチョウほど。重さは0.5グラムにも満たない軽い蝶だが、春と秋には1000kmから2000kmもの旅をする。定期的に国境と海を渡ることが標識調査で証明された蝶は、世界に1種しかいないという。
本書は、10年間に13万頭余のアサギマダラにマーキングを施し、「一番多くのアサギマダラに出遭った人」として知られる著者が、アサギマダラの謎に迫ったサイエンスノンフィクション。
本書の目次より、第1章 不思議な蝶アサギマダラ/第2章 南の島にアサギマダラを追う/第3章 アサギマダラの不思議な旅/第4章 アサギマダラの謎
「想像をはるかに超えた生命の神秘。蝶と一緒に、さあ旅に出よう! 」――茂木健一郎氏 》
千葉雅也『別のしかたで―ツイッター哲学』河出書房新社・2014年
《140字以内で/を思考する有限性の哲学。別々の輪郭線を描く。その実践と方法。関係しすぎの世界で輪郭を失わず生きるための個体化論。ベストセラー『動きすぎてはいけない』に続く話題作! 》(「BOOK」データベースより)
保田與重郎『戴冠詩人の御一人者』保田與重郎文庫・2000年(北村透谷記念文学賞)
《昭和十三年九月に刊行され、第二回透谷文学賞を受けた本書は、『日本の橋』『英雄と詩人』の二年後に出た三冊目の評論集である。収録作十篇は概ね昭和十年から十三年にかけて発表されたものだが、最も早く書かれた「當麻曼荼羅」は昭和八年の発表になる。因みにこの作は、折口信夫の『死者の書』執筆のきっかけになった。
前二著が近代と西洋を媒介として文学的な拠点と感性を自ら語るエッセイが多かったのに比して、本書は日本の古典の美と信実を確信する文章を専らとし、世界史の中の「日本」を強く意識する保田二十九歳の決意とともに上梓された事情は「緒言」にみられる通りである。就中、神人分離を背景に、詩人と武人を一身に体現した悲劇的存在としての日本武尊を描いた表題作と、巻末に置かれた「明治の精紳」は雑誌発表当時、文壇を刺戟した作である。》
ゲーテ/高木昌史編訳『ゲーテ美術論集成』青土社・2004年
《別名「眼の人」と呼ばれる文豪ゲーテ。眼の快楽を究め尽くすその好奇心は、北方ルネサンス、17世紀オランダ絵画、ドイツ・ロマン派そして風景画、さらには建築・彫刻までへと旺盛に拡張する―。抜群の審美眼のみが可能とする、精神が躍動し臨場感あふれる美術論集成。》(「BOOK」データベースより)
莫言『変』明石書店・2013年
《一九六十年代末、主人公が放校された小学校の場面から始まり、人民解放軍への入隊、作家としての成功、小学校の仲間たちとのその後の交友など、約四十年間の中国社会の大変貌と主人公の人生の変転を軽妙なタッチで描く。ノーベル文学賞作家莫言の自伝的小説。》(「BOOK」データベースより)
変 莫言著 時代の変化を描く自伝的小説 :日本経済新聞
山口美生編『萌え男子がたり』ブックマン社・2009年
《萌え男子は女子の数だけ存在する!52人の人気漫画家が語る、52通りの萌え男子。》(「BOOK」データベースより)
http://bookman.co.jp/shop/comic/9784893087249/
鈴木宗男『政治の修羅場』文春新書・2012年
《自ら「地獄を見た」と言うほど、数々の修羅場を潜り抜けてきた鈴木宗男が、いまだから語れる秘話を満載。角栄、中川一郎、金丸から小沢、小泉、プーチンまで、手に汗にぎるエピソード、内幕を明かす。読めば、カネ、人事、権力闘争をめぐる「永田町の論理」が浮かび上がる。》(「BOOK」データベースより)
三好徹『風葬戦線』角川文庫・1975年
《日系二世のアメリカ人のもとに嫁いだ日本女性に、ある日もたらされた凶報――それは前線に出ていた夫、ジェームズ・半田がサイゴン西南のデルタ地帯でベトコンとの戦闘で、行方不明になったことを告げていた。
だが、やがて耳にしたジェームズが捕虜になっているらしいという噂。生きる希望が蘇えった彼女は、夫を救出するために、血なまぐさいゲリラ戦とスパイ・シンジケートの暗躍渦巻くシナイ半島へ旅立った……。
混沌のベトナムを舞台に、国際政治の暗部を狭る、三好徹の傑作スパイ・ロマン》
三好徹『風に消えた男』角川文庫・1975年
《突然私の眼にとびこんできた鮮血にまみれた死体――それはこれから会おうとしていた“ツタンカーモン王の墓”の発見者、マヘル博士のものであった。私はその時、3ヵ月前交通事故で死んだはずの私の義兄が、まだ生きているという妙な噂の真相を、彼に確かめようとしていたのだ。
〈博士の死は、いったいファラオの呪いなのか〉次々に湧き起こる疑問が渦の中で、私はまだ何者かによって仕組まれた恐るべき“ワナ”に気付いていなかった……。
灼熱のエジプトにスリリングに展開する著者会心の長編スパイミステリー。》
森敦『文壇意外史』朝日新聞社・1974年
森敦資料館 ~ インタビュー・談話 ~
森敦資料館 ~ 書評・文芸時評 ~
森鷗外『山椒大夫・高瀬舟』岩波文庫・2002年
《「安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ」の『山椒大夫』、弟殺しの罪に処せられた男の心情を綴り安楽死の問題に触れる『高瀬舟』のほか、「お上の事には間違いはございますまいから」という少女の一言『最後の一句』など、烈しい感情を秘めつつ淡々とした文体で描いた鴎外晩年の名品6篇。》(「BOOK」データベースより)
収録作品=山椒大夫/魚玄機/じいさんばあさん/最後の一句/高瀬舟/寒山拾得
石浦章一監修、金子隆一・新海裕美子『この一冊でiPS細胞が全部わかる』青春新書INTELLIGENCE・2012年
《多くの人が待ち望む再生医療のカギを握っているのが、さまざまな細胞への分化が可能な「iPS細胞」。開発した京都大学の山中伸弥教授はノーベル賞(医学生理学賞)の最有力候補とされているが、現状は技術的にどこまで進展しているのか?どんな未来と課題が待ち受けているのか?人類の未来を変える最新技術の現在地点を、余すところなく解説する。》(「BOOK」データベースより)
山下洋輔編著『音がなければ夜は明けない』知恵の森文庫・2006年
《「音」についての「言葉」をください。編者・山下洋輔のこの呼びかけに集まったのは、宇宙消滅の音、歌舞伎座の音、痛い音、イヌが聞く音…。筒井康隆、平岡正明、矢野顕子、糸井重里、村松友視、浅井慎平、かんべむさし、南伸坊、山口昌男…。「音がなければ夜は明けない」人たち18人による、「音」についてのエッセイ饗宴。》(「BOOK」データベースより)
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筒井康隆が初めて明かす"創作の極意と掟"とは!? 『創作の極意と掟』刊行記念イベント
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