2018年9月
ジャプラン
『七分の嘘』は細田慶子(1950 - )の第2句集。
著者は「形象」会員。
空欄を春の光で埋める母
水明かり春の苦味を燃やしてる
精神を丸洗いして野水仙
球形の思考が苦手春の闇
晴天の青不足して君の葬
さくら草 記憶の底を開けなさい
一筆箋持て余している白蓮
小判草 母が呆けただけのこと
神無月白い時間を描く母
月光を身の芯で聞く都鳥
人の世の端をなぞって蝸牛
反目の子の光る目の名残雪
そして海そして詩界の魚となる
涼月がドボルザークを聴きに出る
クレマチス立ち眩みして見た光
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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