「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2015年7月号から。七夕や老舗の菓子のうすごろも 嶋田麻紀冷麦で中庸の徳説かれけり 松浦敬親ダッコちゃんペコちゃんサトちゃん昭和の日 井口あやこ
*****************************************************ドリフターズ83 ダッコちゃん人形
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2015年6月号から。葛餅の大きな三角死が近し 嶋田麻紀フクシマの避難者と見る植田かな 松浦敬親所在不明になりたき日あり葱坊主 鹿志村のぼる古書店へ祭囃子の角曲がる 草野大作春の波大和沈みしところより 山﨑百花
*****************************************************葛餅の作り方
「翔臨」(編集発行:竹中宏)第83号(2015年6月)から。 彌榮浩樹「山本健吉のウロボロス―悪癖による自己侵蝕」、前号で訃が伝えられた中野真奈美の百句再録を掲載。底冷えの目玉うらがへせば朱泥 竹中 宏老白梅生まれたばかりのごとく逝き踊りはじむ父の享年過ぎてより 今小路小百合蚊柱やひらがなばかりの古今集 小山森生くれなゐの混じる祇園の霙かな 伍藤暉之少年の全身俯瞰桜かな 小林千史いつせいにデータの消ゆる春嵐 百尾庸子*****************************************************ディベルティメント第15番(モーツアルト)
「若竹」(編集発行:加古宗也)2015年8月号から。 創刊1000号記念特集号。写真復刻版「若竹」創刊号も附録につけた252ページの大冊。 特集は「加古宗也総論」と「四十代の読む鬼城」。 後者には田口茉於、杉山久子、橋本直、山根真矢、榮猿丸、津川絵理子、牛田修嗣、鴇田智哉、関悦史、関根かな、田中亜美、中村安伸、塩見恵介、明隅礼子、小林奈穂、鶴岡加苗、如月真菜、矢野玲奈が寄稿。 別に特別寄稿として「俳句は進化しているか――村上鬼城再読」。小川軽舟、栗田やすし、岸本尚毅、中村雅樹、柴田奈美が寄稿。軽暖や今も足尾に浄化槽 加古宗也麦秋や指もて試す研ぎ具合花葛やかすかにひびく揚水機鰯雲波止に鯨の神輿置く 高橋冬竹(若竹俳句賞受賞作家競詠)百名山揃へし古書肆夏に入る 市川栄司(若竹俳句賞受賞作家競詠)*****************************************************Mahler : Symphony No.8 / Inoue Michiyoshi - Nagoya Mahler Festival Orchestra
「俳句新空間」(発行:北川美美・筑紫磐井)No.4(2014年夏)から。 ウェブマガジン「blog俳句新空間」の句を紙の冊子にまとめたもの。 筑紫磐井「八月の記憶――従軍俳句の真実」を掲載。川名大との論争の続き。長崎県軍艦島に潜入タモリ一行 大本義幸レース編み蓬莱山まで急ぐなり 坂間恒子来世紀冥王星のかき氷 佐藤りえ空高き終着駅の岳樺 津髙里永子氷山の月が溶け出すウイスキー 豊里友行蜘蛛の囲やウルトラマンの来さうな夜 仲 寒蝉小突き合ふ少年の恋夏蓬 中西夕紀無意識に選ぶ卵や稲光 秦 夕美ひょうたんや世界の外に聖地ある 堀本 吟初期化せし全身全霊夏百夜 もてきまり*****************************************************軍艦島の記録
「白茅」(代表:中田剛)第8号(2015年春)から。 招待作家作品に山口昭男、山本洋子。 特別作品に生駒大祐、田島健一、津川絵理子、永方裕子、村上喜代子、村上鞆彦。辻を出て辻に入るなり秋の暮 山口昭男蛍とぶ躙り口より上がること 山本洋子毛虫また落ちたるところから歩む 中田 剛山々は白き木の花衣更 坂内文應眠たさのあやめの橋を斜交ひに 生駒大祐消える樹のよろこび砂漠から苺 田島健一クレマチス月の表面よく乾き 津川絵理子合歓は実にいとほしきもの子の巻き毛 永方裕子山椒魚食べに秘境の橋渡る 村上喜代子浮く亀のまはり雨ふる夏の風邪 村上鞆彦この世ある謎そのままに初鰹 三森鉄治*****************************************************Edgard Varèse, Amériques - Ensemble intercontemporain - Matthias Pintscher
「LOTUS」(発行:酒巻英一郎、編集:丑丸敬史・表健太郎・九堂夜想・曾根毅)第31号(2015年8月)から。 特集は「LOTUSプロジェクト《詩と俳句形式》Ⅰ」で、志賀康、表健太郎の評論を掲載。初夏や草原ひそと阿字の門 豊口陽子(特別作品)雨あがる硝子の底の薄緑 曾根 毅玄奘の舌となりけり砂嵐 髙橋比呂子月射すや石群がりて重なれる 流ひさし菫見る少年埋め込んだ壁の部屋 古田嘉彦口中に蝶飼ふをとこ花野宿 表健太郎天餐や魚文鳥文ひしめきて 九堂夜想夏野ゆくトーン・クラスターとホワイト・ノイズ 熊谷陽一草そよぐ香に満たされしわが氷室 三枝桂子*****************************************************György Ligeti, Concerto de chambre - Ensemble intercontemporain - Tito Ceccherini
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2015年9月号から。 小熊座創刊30周年記念座談会「俳句を語る」を掲載。 栗林浩「昭和・平成を詠む」連載第2回は小原啄葉へのインタヴュー後編。蝶を吸う蜘蛛は魂剥き出しに 高野ムツオ晩年は浜昼顔の波の音 小笠原弘子帰らざるものばかり見え夏の雨 渡辺誠一郎象の目は笑つてをらず大夕焼 我妻民雄惑星のくらい穴から八月来 佐々木とみ子戦争のほかは忘れて雲の峰 上野まさいサングラスそこまで来たと立寄りぬ 志摩陽子*****************************************************György Ligeti : Requiem - Full concert
「紫」(発行:山﨑十生)2015年9月号から。淋しくて馬面剥(うまづらはぎ)を焙りをり 山﨑十生賜はりし臓器従順青嵐 若林波留美天上の感情線を雷走る 鈴木紀子誰も見ていないそれぞれの窓に虹 新井史子諸行無常アドバイザーとしての滝 大滝徳美白シャツは帆となり少年反抗期 福島ときみ
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「鷹」(発行:小川軽舟)2015年9月号から。 奥坂まやによる「征きて還らず―竹岡一郎句集『ふるさとのはつこひ』鑑賞」を掲載。大鉢に蝦蛄茹であげし娶りかな 小川軽舟海見ゆる席に移りぬ夏館 山本良明葬儀屋の美男揃ひや朝曇 椰子次郎ヒロシマの夾竹桃も白かつた 小浜杜子男弾圧の初めに踏まれ薫るは百合 竹岡一郎*****************************************************Beat Furrer - ...cold and calm and moving - ensemble proton bern
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