「堊」(発行:高石直幸)2014年4月号から。はなやぎは子午線に降る春の雪 高石直幸胎動の始まつてゐる春の山 山村恵子(自選作品20句特集から)遠山に雲立ちあがる青田かな 弓田幸代(自選作品20句特集から)雪解風木は八方へ枝を張り 山角和代*****************************************************RYOJI IKEDA : THE TRANSFINITE
「陸」(発行:中村和弘)2014年4月号から。春泥よりアダム生まるるところなり 前塚嘉一(特別作品)切株も国も腐りて春の雪 中村和弘なにもなき三月十日の非常口乾電池溶け出づ鞄去年今年 町山直由マスクして遠ざかりたる仏かな 大石雄鬼沈黙も響きのひとつ除夜の鐘 泉 風信子新築の介護施設のシクラメン 及川明子*****************************************************Pet Shop Boys - Left To My Own Devices
「遊牧」(代表:塩野谷仁)2014年4月号から。如月は鳥のかたちの時の影 金子斐子(特別作品20句から)えんどうの花へ続続ピカソの眼 吉岡純子この泥を愛してしまう薄氷 大畑 等攫われるなら朧夜の柱かげ 塩野谷仁縄文土器の指跡ゆったりと白梅 藤野 武乱入の少年ひとりは雪うさぎ 堀之内長一櫻貝ムンクの赫い空透きて 門谷杜人*****************************************************Prefab Sprout - If You Don't Love Me
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年4月号から。となりはや雫してをり草つらら 山口昭男氷柱より光のぬけていくところ麦踏のそのまま寺へ入りけり古文書にひびきありけり冬木立 大西美帆(特集 秋草の作家10句より)夏雲に見られてゐたる豆腐売 橋本石火(特集 秋草の作家10句より)寒中の櫻貝もて見舞ふかな 市川薹子こふのとりよく来る家や春隣 立川由美子部屋よりも寒き蒲団に入りけり 三輪小春初御籤妻は遠くにゆきにけり 高井楚良時刻表開きしままに桜餅 横内正人冬の蚊の音なく鼻に止りけり 金中かりん白煙をはるかにながむ初鏡 門園須美子シャガールの絵の鶏や毛糸編む 中田邦恵いぬふぐり鉛筆の音一斉に みなみ里奈*****************************************************Phil Collins - Sussudio (Official Video)
「川柳カード」(発行:樋口由紀子、編集:小池正博)5号(2014年3月)から。 特集は「伝統へ 伝統から」で筒井祥文、くんじろう、井上一筒、小池正博の論考を掲載。 小池正博の連載「川柳論争史(5)」は「柳俳異同論争」。新札の滑り具合も気象庁 草地豊子グッゲンハイムの吊眼な人のこと 井上一筒父・血・血血・血血血・血血血血・血血血血痴 きゅういち振り向くと時計の振り子はにしきへび 石田柊馬テトラポッドの下で睦んでいる姉妹国家システムは茶バネも組み込んだ 山田ゆみ葉殺さないでください社会科の時間です 榊 陽子ミシン目にそって男を開けてゆく 浪越靖政洗濯ばさみが揺れているので大丈夫 樋口由紀子笑い顔が二つバス停に落ちていた 湊 圭史群論も糸瓜もどこでもドアがある 丸山 進砂時計少年少女地獄絵図 飯島章友夜の帰路コンビニの灯を信じますか都護府の階段をフィギュアが登ってゆく 小池正博妖怪の単位を決める会に出る 兵頭全郎石になるために百年を生きた 前田一石*****************************************************Tinguely@Tinguely. A New Look at Jean Tinguely's Work
「あすてりずむ」(編集発行・小早川忠義)第5号(2014年3月)から。 ネットプリント雑誌。 3人が作品5句ずつと短いエッセイを発表。 前回に続いて澤田和弥が参加。新築の庭に小さき桜かな 後閑達雄蝶去りてまつりのあとのやうな午後 澤田和弥FAXのぢぢぢぢぢぢと冴返る 金子 敦雛飾るレジとレジとの谷間にも 小早川忠義*****************************************************土屋昌巳 TOKYO BALLET (PV) 1985.7.21Release
「梟」(発行:矢島渚男)2014年3月号から。民族にかぶさる国家冬深む 原 雅子野火観るに蝙蝠傘を提げきたる 田代青山春炬燵十坪の山荘設計図 藤井 恵ライト浴び雪像の裏蒼き闇 鈴木アツ子持ち歩く線量計や雪に置く 尾関くに子ただならず社務所古りたる隙間風 御子柴弘子空瓶にクリオネ五匹流氷来 土佐 稔火事跡の仏間に垂るる氷柱かな 野口和男酒の銘「唯我独尊」猪の鍋 三上貞子読めぬ偈を書き写したる涅槃かな 木村文之銀河系銀河小さしたゞ寒し 矢島渚男さくら咲き水晶体の濁りゆく児の図鑑原寸大の蝉を置く見るわれも四億年の肺魚も秋*****************************************************怪奇大作戦 第03話 「白い顔」
川柳作品集をよく出しているあざみエージェントのPR誌「あざみ通信」NO.12(2014年2月)から。美味しいね耳も尻尾もついている 今井和子キリンが覗く二階の部屋は仕事部屋
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「静かな場所」(発行:対中いずみ)No.12(2014年3月)から。大榾に花活けありぬ利休の忌 瀧澤和治喉あいて飲みものとほる露台かな 森賀まり掃除機を後ろに曳いて青葉冷突ッついて裏返してや京の甘鯛(ぐぢ) 和田 悠木の股に分け入りひらく芭蕉かな 対中いずみ立子よく肩凝つてをり冬薔薇天牛を摑めば螺子の巻き上がる 満田春日原稿料入れば旅へ花柊水仙や運動靴は泥まみれ 木村定生 《心服した師を喪うこと、その後己れを頼りに句づくりを続けることはつらいことではあるが、しかし、それでも心から師事し得た人がいるということは幸せなことだと思う。龍太師は、心に尊敬する人を持つことの大切さを言われた。同時に「新人に対する関心を失ったとき、そのひとの進歩は止まる」とも。》(対中いずみ「編集後記」)*****************************************************YMO@EXPECTING RIVERS )
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第56号(2014年3月)から。 招待作品に和合亮一の詩「詩ノ黙礼」。 リレー評論「現在の批評はどこにあるか」、今号は広坂早苗と喜多昭夫。 国見朝子歌集『海光』評に小島ゆかりと喜多昭夫。
蜂蜜入りパンかじりゐる冬の午後原発もテロもとんと忘れて 山本令子「痩せたね」の一言きけばいかにせんおだやかならずわれ癌病みて 横地久代今少し夢を見ようかリフォームの成りたるキッチンの白き空間 石原伸子駅前の余白のような方形がよくもわるくも白菜畑 加藤ユウ子題詠「ガラス」に透くそれぞれの歌ごころ嘉し合ひつつ教室始 竹村紀年子 「STAP細胞」発見を言祝いだ歌が幾つかあった。その後の暗転は想像の外だっただろう。*****************************************************Dino Saluzzi / Anja Lechner / Felix Saluzzi_Nostalgia Festival Poznań 2013)
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