「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年6月号から。ひとつづつ蝌蚪うきあがりては流る 山口昭男人遠き母のたつきや葱の花みぎのすねひだりのすねとあたたかし 市川薹子つぎつぎと鳥の群来て彼岸かな 椹木雅代高つばめ急降下して口に虫 金中かりん
*****************************************************吉増剛造さん(とともに)歩く、佇む
「円座」(発行:武藤紀子、編集:中田剛・小川もも子)2014年6月号から。麓まで朝日のあたる雪の山 武藤紀子囀りのあらかたの入れかはりけり 中田 剛清正の烏帽子兜に散る桜 近藤直子大鳥居昏れなんとする鳥の恋 辻まさ野号外に石焼芋の包まるる 中山壹路
*****************************************************Dexter Gordon Live In ´63 & ´64
「香天」(編集発行:岡田耕治)2014年5,6月号から。春雪の匂いの残る鞄かな 岡田耕治自らに触れて揺れたる糸桜ポリバケツまっすぐ往けば春の海 久堀博美春灯ピアノの上のプラモデル 藤川美佐子
*****************************************************John Mclaughlin, Elvin Jones, Joey Defrancesco-Jazz a Juan, 1996.
「円錐」(編集委員:澤好摩・橋本七尾子・山田耕司・今泉康弘)第61号(2014 Summer)から。 特集は「困った一句とは(2)」。 男波弘志句集『瀉瓶』評を山田耕司が、榮猿丸句集『点滅』評を後藤秀治が書いている。他に樽見博『戦争俳句と俳人たち』評を今泉康弘。山田評は容赦なく核心をつき、今泉評は細かい誤りを正しつつ今後に期待を寄せている。天の川流れる祖母の義眼かな 今泉康弘生けるものみな枯蓮となる日かな年の酒むかしは皆が生きてゐて 澤 好摩老木の木靈醒ますか春の雨うぐひすを出してそれきり布かばん 山田耕司観覧車春へと人を吐きつづく*****************************************************Laurie Anderson - Sharkey's Day
「陸」(発行:中村和弘)2014年5月号から。遠州の弘法麦も青みたり 中村和弘春興は魚籠に乾ける鱗かな陽に風に寒天チリリと干し上がる 太秦女良夫蟹凍ててなほうごめくを炙りけり 山本一糸大寒の電話の中に猫の声 稲村茂樹闇汁沸々内閣各位召上がれ 淺見玲子春泥の寄りそふごとく割れてをり 大石雄鬼白魚のなだれとなりて桶満たす 松本道宏ヘルメットに脳味噌書かれスキー場 小林政女かざはなやひとをわすれて海となる 佐々木貴子*****************************************************David Byrne.- Once In A Lifetime mp4.mp4
季語の徹底的な再検討を続ける前田霧人の個人誌「新歳時記通信」の第8号が届いたのだが、今回は「風」に関する季語の総集編のような内容で、A5判で195ページに及ぶという、個人誌としては信じがたい大冊。 いつ通読できるやらわからないので、とりあえず拝受したということだけ上げておく。 内容についてはいつもの通り、ホームページにそっくり全部pdfファイルで掲載されているので、興味がある向きはそちらを参照していただきたい。
*****************************************************Miles-Davis Montreux 1986
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第57号(2014年5月)から。 招待作品に太秦女良夫(うずまさ・めらお)の俳句15句「飛花落花」。 リレー評論「現在の批評はどこにあるか」、今号は関悦史、さとうますみ。 特集は《春日井建没後10年「春日井建の1冊」》。碧眼の転入生や花水木 太秦女良夫(招待作品)今日の運勢「煩悩の魔力に要注意」庭木々に光(て)る大寒の陽よ 石原伸子初めてのスキーの折に買いし靴水が浸みきて御払箱に 梅村千枝子ブルドーザーでむき出しになったあかるさのつくられた町に呼吸している 加藤ユウ子檜垣、泥眼、姥、山姥、般若の面、並ぶ女の息苦しくも 松野登喜子大量虐殺(ジェノサイド)時さへたてば嘘となるたつぷり降れよ三月の雪 山下好美*****************************************************Art Blakey's Jazz Messengers and Special Guests - Leverkusen Jazzfest Oct. 9, 1989
「儒艮」(編集発行:久保純夫)vol.6(2014年5月)から。 松下カロの評論「カンディンスキーの居る言葉――関悦史へのアプローチ」掲載。 拙句集『六十億本の回転する曲がつた棒』の後記から、作風の見かけ上のばらばらさとその裏にある統合性について触れた部分を引き、カンディンスキーの《幾何学上の点は、眼に見えぬ存在である。だがこのゼロには『人間的な』各種の性質が潜んでいる。それは言葉の一種であり、しかも沈黙を意味している。》(『点・線・面』)と照らし合わせ、介護句から言語遊戯句までの関係をトータルに把握しようとする力作。蛾の目して青く光りぬ窓秋氏 久保純夫(「ルネッサンスの風―夏―」)夕ぐれはあまた翔び立ちなめくじら少年が少女になりしラムネ飲む竜の玉たしかにそこに六林男の眼 妹尾 健万華鏡三井寺に蛇出て来たよ 藤川游子どこまでが母どこからが蝸牛 松下カロ筍や雨の立入禁止地区 曾根 毅紙飛行機いつも不時着冬草に 岡田由季逃水に最期の釘を取りに行く 木村オサム座布団や角を揃えて仕舞いたる 久保純夫(「四照花亭日乗 Ⅱ」)菱餅の無限につづく色かたち 原 知子猪を裂くガレージに子を遊ばせて 杉浦圭祐どの出口たどるも夜の桜かな 小林かんな*****************************************************Arnold Schönberg-Wassily Kandinsky: Music and Art Get One
「LOTUS」(発行:志賀康・酒巻英一郎、編集:表健太郎・九堂夜想)第27号(2014年3月)から。 特集は「クライシス―LOTUS句集評」で、最近出た同人3氏の句集評。はるや魚の形(なり)に立つべし影の妻 九堂夜想(特別作品)雲三度(みたび)さらうや桔梗の影のみをひとを編む毛糸玉には赤が足りない 豊口陽子(特別作品)すこし割れまた寄り添うてなゐの月惑星のほの明るさへ柊挿す 三枝桂子ひとつ家背戸から枯野へ火を借りに 酒巻英一郎王無くば地に詩成らずと谷人が 志賀 康歯が抜けている白梅に囲まれて 曾根 毅幻聴と井戸の違いは青葡萄 古田嘉彦さらさらと白鳥交る日と蔭と 吉村毬子平らなる五月の海に沖はなし 表健太郎*****************************************************「原子力発電の夜明け」東京シネマ1966年製作
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2014年4月号から。柩窓ひらくこの世の鳥曇 嶋田麻紀日曜や浅蜊の殻のアラベスク山砂と混ぜて蒔きけり花の種 飯村周子水鳥のつぶやいてゐる日暮れかな 鈴木了斎少年は母と質屋へ十二月 川島一紀*****************************************************Thelonious Monk - Live in Norway & Denmark '66.Intimate TV Concerts.
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