4人による川柳同人誌「MANO」(編集発行・樋口由紀子)第19号(2014年9月)から。 評論、小池正博「河野春三伝説」他を掲載。水っぽい体になって箱を出る 加藤久子色とりどりの毒を抱えて台所アルパカの居場所としての待合室 小池正博髪洗うときアメリカを忘れる 樋口由紀子次々と発見がある死に時は 佐藤みさ子*****************************************************YMO@STAIRS
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2014年8月号から。再生かも知れぬ蜥蜴の尾を踏める 嶋田麻紀鰻屋のうの字の長きことも憂し天の川入れてねまりぬ奥信濃 百瀬ひろし手に持てば何でも投げて裸の子 田中幸雪ホチキスの針飛ばさるる薄暑かな 井口あやこ
*****************************************************Japan - Gentlemen Take Polaroids(孤独な影)
「出航」(代表:森岡正作、編集:堀口希望、発行:石川久)2014年8月号から。 A5判、58ページ。主宰による会員作品の一句鑑賞多数。中空のどこか焦げゐる麦の秋 森岡正作涼気汲む逢魔が時の観覧車聖五月食器重ねる音さへも 大森春子落雁のほろと崩るる桜冷 鈴木浩子四阿はどこも正面風薫る 篠原嘉代ラムネ抜く平成の子は親となり 井上好子ネクタイの結び目固く入学す 芹田陽子手のひらに受けし落花は骨の色 金子 敦(「金子敦のページ」より)*****************************************************Simple Minds - Don't You (Forget About Me)
「セレネッラ」創刊号(2014年9月)は、金子敦、中山奈々、中島葱男の3人によるネットプリント誌。 各6句と、短文「それぞれの一曲鑑賞」、好きな物の写真「My favorite things」各1葉を掲載。 中山奈々のツイートによると《ユーザー番号:Q1QGM84475 有効期間 9月22日 22時頃まで ※サークルKサンクス、ファミリーマート、ローソンの「ネットプリントサービス」にてユーザー番号をインプット、A4版普通紙は60円、光沢紙は120円を投入してプリントできます》とのこと。小鳥来るシュークリームに小さき瘤 金子 敦豚の血の混ざる腸詰め野分立つ 中山奈々和すことに小さき怖れ檸檬吸ふ 中島葱男*****************************************************デイドリームビリーバー
「LOTUS」(発行:酒巻英一郎、編集:丑丸敬史・表健太郎・九堂夜想・曾根毅)第28号(2014年8月)から。 特集は「LOTUSレポートⅠ―九堂夜想俳句作品評」。同人諸氏が九堂俳句に迫っている。 九堂夜想50句(新作ではなく既発表からの選出)も掲載。「海が見えた」を急勾配にするのは虹 古田嘉彦(特別作品)わが肉の狂院に鯤匿しけり 吉村毬子(特別作品)美少年八十八夜と知らず酔う 三枝桂子水瓶が目白の對角線上に 酒巻英一郎靈山やどの生き物も胸動き 志賀 康春の月臀部臀部と叩きおり 曾根 康帰るころ四、五人消えて湯屋めぐり 表健太郎常(とこ)をきてグラスに棲める白き象 九堂夜想死にかわる少年学のシャーベット星蝕のノートへ海を這わさんと日をわらう物(ぶつ)の肛門オペラなれ*****************************************************One Flat Thing Reproduced [2006]
「円錐」(編集委員:澤好摩・橋本七尾子・山田耕司・今泉康弘)第62号(2014 Autumn)から。 特集は「澤好摩という座標」。 先頃、句集『光源』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した澤好摩について、坪内稔典、宇多喜代子、仁平勝、山田耕司、今泉康弘らが執筆。坪内稔典が受賞に関して書いているほかは、各人で澤好摩の来し方各時代を分担して概括している。 澤好摩作品鑑賞に小林恭二と恩田侑布子。 これに澤好摩の書き下ろし50句「波小僧」と最新版澤好摩年譜が付くという保存版。出逢ふ子のみな挨拶す遅桜 澤 好摩水害の家捨ててあり桃の花うぐひすや線香立ての灰の丘五月雨や岩に消えゆく磨崖仏傘つひに荷物の儘や夏の旅*****************************************************DINO SALUZZI & ANDERS JORMIN 2000 (0:42)
「紫」(発行:山﨑十生)2014年9月号から。 巻頭の「龍門集」(主宰を含む同人作品欄)は、一句鑑賞を誌上に連載することになったので省略。ギヤマンの薄墨色に濃紫陽花 山田望都江刃の如き杉の林や夏の雲 漆間禮子食べさせたい人のいたこと新ごぼう 山根麻耶
*****************************************************高橋竹山と二代目竹山の二重奏#03
「船団」(代表:坪内稔典)第102号(2014年9月)から。 特集は「俳句とインターネット」。座談会が二つあって、高齢層組の方はそれぞれネットをどう使っているか、もう一組の方は、ネットで何が出来るかといった話。 他に第6回船団賞発表あり。わたくしも金魚も水曜日な気分 工藤 惠(船団賞受賞作から)私はマメ科に属す月冴ゆる 渡部ひとみ(船団賞候補作から)ブラジャーをしている感じだが立春 芳野ヒロユキ(船団賞候補作から)ペンギンと桜を足したような人泣く迷子泣かない迷子芒原 藤井なお子(船団賞候補作から)銀杏散るみんなかばんは襷掛け 児玉硝子(船団賞候補作から)夏に入る若い歯科医へ口あけて 池田澄子色もなく「寂兮寥兮(かたちもなく)」て昼花火 辻 久々細胞は万能春風は単調 坪内稔典*****************************************************Jimmy Smith - Jazz Scene USA (1962)
「鷹」(発行:小川軽舟)2014年9月号から。魚僧となり毒流し諭しけり 小川軽舟生国を沖に捨て来し海月かな炎暑なり白き巨船は死の如く 奥坂まや天井画人の生き生き風薫る 細谷ふみを網戸の向かう朋の大きな顔がある 竹岡一郎川面よりやさしき田の面さみだるる 南十二国武器要らぬ国に旅寝や天の川蟻強しこゑもことばも持たぬゆゑ 髙柳克弘青嵐アンモナイトの掌に重しひとつ蒲団にふたつ枕や虎が雨 加藤静夫かつぱ巻さびしく立ちて夕立かな 蓜島啓介膨らんでちぢんで不死男忌の海月 山下桐子*****************************************************【HD】世界が認めた「クラゲ展示世界一」ギネス記録 光るクラゲ 加茂水族館 映画・新館も製作中
「都市」(発行編集:中西夕紀)2014年8月号から。 筑紫磐井の連載「俳句の歴史入門講座」はこの36回目で最終回。 山口誓子研究のエッセイ2篇掲載(城中良、澤田たつや)。箱の中音の百足虫の歩きをる 中西夕紀緑さすバスは午睡のしづけさにデパートの地下に新茶の香りかな 砂金 明(特別作品)潮風も添ふ大皿の初鰹 桜木七海春雷とつぶやけば雨来たりけり 高木光香イヤホンを分け合ふ友や卒業す 吉川わる*****************************************************Tears for Fears - Going to California Full Live Concert
最近のコメント