閑中俳句日記（別館） －関悦史－

「今」2015年夏-第10号

　俳句同人誌「今」（編集・保坂敏子、発行・瀧澤和治）2015年夏-第10号から。

　特集は前回に続き「「雲母」百年」「福田甲子雄」の2本。

　終戦時7歳だった大石悦子のエッセイ「思い出すこと」掲載。



文芸の死病に似たる大暑かな　　　保坂敏子

亀鳴くと手の甲美しき白寿かな　　　松之元陽子

炎昼やグラスは暗き棚にあり　　　城　松喜

猿丸のことを訊きたし甘茶咲く　　　瀧澤和治

白椿みづにながれてゆきにけり　　　成瀬美恵子

モロッコのベンチに這へる蝸牛　　　宮本水雲






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Genesis: Live 1973 - First time in HD with Enhanced Soundtrack

 

「儒艮」vol.13（2015年8月）

　「儒艮」（編集発行：久保純夫）vol.13（2015年8月）から。

　松下カロ「女神の言葉――豊口陽子へのアプローチ」他を掲載。


烏瓜しばらく脳が揺れており　　　久保純夫

蓮の実をこりこりと食べ戀人よ

少年が少女の硯洗いけり

白絣淫らな無垢というがあり



少年の眼(まなこ)に古りぬ藤の花　　　和田悟朗（特別招待作品）

年の暮料理番組ばかり見て

傾(かたむ)けば川となりゆく春の水


恋人の男同士や桜鯛　　　原　知子（招待作品）

県道や水着のままで渡りおり


稲光手をふれあへば石になり　　　松下カロ（招待作品）

次々に石柱仆れ昼寝覚


生きもののごとき配管山躑躅　　　伊藤蕃果（招待作品）


麦藁蛸そこで弁慶ぐぐつてみんと　　　嵯峨根鈴子（招待作品）

仙人掌のひらく気配の水まくら


葛餅や人に汚れし帰り道　　　曾根　毅（招待作品）

したたりの奥に村ある大和かな　　　妹尾　健（招待作品）

さくらんぼひとつぶ口に大往生　　　藤川游子（招待作品）






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Japan - Quiet Life

 

「草樹」第58号（2015年7月）

　「草樹」（発行：吉田成子）第58号（2015年7月号）から。

　特集は「『宇多喜代子俳句集成』を読む」。渡辺誠一郎による句集評他を掲載。


汗の身の深みにひそむ火焔かな　　　宇多喜代子

楠落葉肩打つ膝打つわが戦後


マラソンの最初の一歩風光る　　　渡辺和弘

春の鯉もの言ふやうに集ひ来し　　　永田園子

折り紙で遊ぶひと間や桃の花　　　垣東清子

真昼間の亀の塔なす花吹雪　　　河口久美子






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The Style Council - Solid In your Heart

 

「紫」2015年7月号

　「紫」（発行：山﨑十生）2015年7月号から。

　巻頭の「龍門集」（主宰を含む同人作品欄）は、一句鑑賞を誌上に連載中なので省略。


生け捕りの猿の余寒や以下伏字　　　新井富江

たんぽぽの絮毛ひもじく見送りぬ　　　岩切雅人

万緑や宇宙だんだん近くなる　　　小林邦子

 

 

 

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Robert Palmer LIVE at the Albert Hall - stereo - '92

 

「ぶるうまりん」30号（2015年6月）

　「ぶるうまりん」（編集：ぶるうまりん編集部）30号（2015年6月）から。

　特集は「須藤徹三回忌―未発表遺稿作品」と、「ミラージュを追いかけて―須藤徹追悼作品」。

　関悦史「概念の愉楽―遺稿から見た須藤徹」、武藤雅治「須藤徹句集『荒野抄』を読む」を掲載。

地震過ぎて碧空躍る春の海　　　須藤　徹（未発表遺稿作品）

からだじゅう水平線にして燕来る

レクイエム海胆の殖えたる海底よ

春灯の幽かに漏れて宙の家　　　生駒清治（須藤徹三回忌追悼句）

糸鋸のくりぬく春にりぼんかけ　　　及川木栄子（須藤徹三回忌追悼句）

透明の指揮棒を恋ふ花吹雪　　　田中徳明（須藤徹三回忌追悼句）

異次元にぶら下がっている空蝉　　　山田千里（須藤徹三回忌追悼句）



迷路の中へオランダからチューリップ　　　村木まゆみ






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Leonard Cohen - Closing Time

 

「小熊座」2015年7月号

　「小熊座」（発行：高野ムツオ）2015年7月号から。

　第8回佐藤鬼房顕彰全国大会シンポジウム「鬼房俳句の諧謔について」を収録。パネリスト：栗林浩、矢本大雪、宇井十間、関根かな、司会：神野紗希。みな「鬼房の諧謔？」と困惑しながら進めている印象。

　俳句時評は宇井十間「ポスト造形論についての覚書２」。



眼も骨も臓腑も光る釘煮なり　　　高野ムツオ

三陸の海霧怨怨と怨怨と


万緑やどこを向いても骨軋む　　　土見敬志郎

卓袱台をゆっくりたたむ桜桃忌　　　渡辺誠一郎


白百合をむせるほど挿し百ヶ日　　　佐々木とみ子

てのひらのひろびろとあり天瓜粉　　　上野まさい

啓蟄の一匹の虫田中泯　　　浪山克彦

未発見生物数多みどりの夜　　　さがあとり

この星の鼓動聴きいる雛かな　　　秋元幸治

コンビニは地上の星と蟇鳴けり　　　瀬古篤丸

喪主席の少年の黙遠郭公　　　佐藤きみこ


春雷や徘徊の歩をなほ一歩　　　野田青玲子






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Genesis - Tonight, Tonight, Tonight (Invisible Touch Tour)

 

「麟」第53号（2015年7月）

　「麟」（代表：山下知津子、編集：駒木根淳子）第53号（2015年7月）から。

　【女性俳句研究Ⅱ】橋本多佳子研究が第6回目。



天心の蒼暗みたる山桜　　　山下知津子

衣更へて身に深淵の無きごとし

納相場昼は込み合ふ天ぷら屋　　　染谷佳之子

花びらが少年の背に痛かりし　　　飯野きよ子

底抜けの原子炉蔵す花の闇　　　駒木根淳子

神楽殿の細き階段花ふぶき　　　野口明子


花いかだ遺伝子もなた組み換ふる　　　駒木根淳子（特別作品）





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DEAD CAN DANCE ''AVATAR''

 

「秋草」2015年7月号

　「秋草」（発行編集：山口昭男）2015年7月号から。


燃ゆる火の奇妙なにほひ麦青む　　　山口昭男


家系図をたどりし先に藤の花　　　橘こごみ

ゆるやかに重なる春のキャベツかな　　　大西美帆

家古りしこと白靴に音たてて　　　市川薹子

夏蝶の灰の匂ひに羽休み　　　三輪小春

どしどしと来て酒くさき夜水番　　　橋本石火

三角の池丸い池柿若葉　　　中田邦恵






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Cocteau Twins - Heaven Or Las Vegas (Official Video)

 

「鷹」2015年7月号

　「鷹」（発行：小川軽舟）2015年7月号から。

　小川軽舟の講演録「藤田湘子が遺したもの」前篇掲載。


詩集売る書肆のガラス戸賀茂祭　　　小川軽舟

目つむれば家しづかなり薔薇の雨


元々は黄色いベンチ春の風邪　　　細谷ふみを

待つうちに仕上る眼鏡うららけし　　　山本良明

廃品回収荷台のテレビ花ふぶく　　　奥坂まや


六月の風の夕を兎死ぬ　　　岩永佐保

退屈に兆す狂気や蟹通る　　　髙柳克弘

三鬼忌の宿の猫足ベッドかな　　　志賀佳世子

フェルトペンの呑気な線や蝶の昼　　　大岩しのぶ






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Bryan Ferry - Johnny & Mary [Official Video]

 

「紫」2015年6月号

　「紫」（発行：山﨑十生）2015年6月号から。

　巻頭の「龍門集」（主宰を含む同人作品欄）は、一句鑑賞を誌上に連載中なので省略。


スケッチの三枚目が好き蕗のとう　　　細井美人

かたつむり思案のつむり振りながら　　　山田望都江

雪降っているかもしれぬ湖の中　　　新井富江

 

 

 

 

 

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仏の顔もIt's Alright - 上々颱風ShangShang Typhoon feat. 初代桜川唯丸