「古志 青年部作品集 2017」古志青年部作品集第6号(2017年7月)から。
透明な傘透明な秋の雨 イーブン美奈子
分け入りて戯れる蜂牡丹蘂 伊藤 空
大いなる海の小さきくぢらかな 岡崎陽市
漱石の夢百年や秋の百合 関根千方
青田風分けて北陸新幹線 辻奈央子
岡山へ行きたし桃を五つ食べ 西村麒麟
口づけで君目を覚ます春野かな 森 篤史
団栗の回る音かな洗濯機 吉富 緑
「船団」(代表:坪内稔典)第113号(2017年6月)から。
Eカップです凩一号ぶっつかる 佐々木麻里
幾千代も死は文化なり寒卵 たちおか帽子
「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2017年6月号から。
関悦史「平成の名句集を読む」第17回は、鴇田智哉句集『凧と円柱』について。
大湯屋の松葉が雪にささりけり 武藤紀子
ラッパ水仙瞳孔の奥覗かれて 岡田百合絵
理科室で解剖を待つ蛙かな 猪熊友一
「鏡」(発行編集:寺澤一雄)第24号(2017年6月)から。
くれなゐの藻を食べ春のウミイグアナ 佐藤文香
梅の実のした梅の実の色に雨 三島ゆかり
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2017年6月号から。
狼領なり風花の飯舘は 高野ムツオ
狼毛の大筆となり春の森
つちふるや白杖に開く自動ドア 四戸美佐子
「陸」(発行:中村和弘)2017年6月号から。
田川信子追悼特集あり。
牛馬喰らう絵馬の鬼入れ花祭り 中村和弘
一杯のコーヒー前に日の永き 小菅白藤
「里」(編集:中山奈々、副編集:小鳥遊栄樹、同人会長:仲寒蝉、発行:島田牙城)2017年6月号から。
ファックスの速さで進む花筏 仲 寒蝉
孑孒や眩暈の妻を置き去りに 田中雅己
白といひて黄を沈めゐる薔薇を見し 島田牙城
マネキンに人と違ふ美梨の花 青本瑞季
葉桜や一人で卒塔婆提げてきて 堀下 翔
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2017年6月号から。
野鼠を一口喰ひの狐かな 小澤 實
雪つけて自動販売機の灯る
美しき銀河かゝりぬ出水村 高橋睦郎(季語練習帖)
寒林や鴉の死骸突く鴉 服部鶫美
枯枝にサッカーボール嵌りけり 汕としこ
みのる寝て澤衆泣くや涅槃ごつこ 林 雅樹
木をまもる手摺に夏のつめたさよ 村越 敦
「駒草」(発行編集:西山睦)2016年6月から。
西山ゆりこのコーナー「ゆりこのどうよ!この俳句」に拙句《男子生徒の弾力知りぬ椅子の春》(『花独活』)の一句鑑賞。《演出かフィクションかは不明だが、作者は男性という性を重んじている。私は女性のフォルム贔屓なので「ふん」と一蹴したいところだが》
燕の巣かもめの羽根のうちまじり 西山 睦
スカイツリー黄沙に噎する孤独かな 請地 仁
「青群」(発行:伊丹啓子、編集:伊丹啓子・小嶋良之・政成一行)第44号(2017年夏)から。
夢見には コーヒやココア 絶食日々 伊丹三樹彦(顧問作品)
水鳥の声あげてみる 水枕
浴室は子らの天国 除夜の鐘 広畑洋子
さえずりは人類の声 白昼夢 島田隆子
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