『光響』は檜山哲彦(1952 - 2023)の第3句集(遺句集)。
著者は「りいの」主宰だった。
天の糸切れきりもなく降る木の葉
喉に声ころがす烏目借時
蓮稚きうてなを天にもたげけり
このわたを啜るに星の近づきぬ
馬の眼の底になほ底草の花
初日受く地にひとつぶの猿となり
緑蔭を瞳大きく話すなり
母 逝去
夏の月マーチを唄ひ逝きたると
雪しづる音八方にカレーうどん
ノルウェー オスロ 二句 より
自転車は国王白夜の石畳
白鳥をのせ湖は一枚に
一陽来復電車の床を綿はしる
溶岩をひと日踏みたり茸汁
釣瓶落しの岩に顔ありソクラテス
やいなや新子の握り眼の前へ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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