『シーラカンスの砂時計』は乾佐伎(1990 - )の第2句集。跋文:内藤明。
著者は「吟遊」同人。
シーラカンス象形文字に紛れ込む
回転木馬 はぐれないように光る
シーラカンス星座をひとつ傾ける
図書館にシーラカンスと風ひそむ
シーラカンスあなたの海に守られて
漂ってみたい紅茶の香になって
冬ざれの森にひかりが迷い込む
夜更けの鏡からハミング
しゃぼん玉の中には風が消えた街
ぼくは誰? 水平線はただ光る
日は西にシーラカンスはまた夢へ
空飛ぶ絨毯はひかりの粒よりも軽い
満月をシーラカンスは赤くする
羽根一枚落ちる天子のはしごから
友ならば沢山いますクレヨンは
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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