『星辰』は五島高資(1968 - )の第5句集。
著者は「俳句スクエア」代表、「豈」同人。
花びらの天にあふれてこぼれけり
ウクライナ戦争 十句 より
火の震ふビルの瓦礫や雪の果
おほよそは海に雨降る鑑真忌
白毫に遠くて近きかたつむり
光より速き翁や五月雨るる
貝殻の線路に濡れる晩夏かな
少年の手話で別れる涼夜かな
皿洗ふ水は流れていなびかり
曼珠沙華あらやしきまで飛び火する
木の股の水に濡れたる秋の空
透きとほる柱いろいろ星月夜
人波を抜けてや二十三夜月
コロナ禍や雲を褥に山眠る
狐火や列車は遅れつつ走る
冬の星また埋め戻す遺跡かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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