『日々未来』は南十二国(1980 - )の第1句集。序文:小川軽舟。
著者は「鷹」同人。
日の昇るまへの青空初氷
夏の暮タイムマシンのあれば乗る
本開けて字のまぶしがる木の芽かな
底に手のゆらりと触るプールかな
冬星やぬすみ得ぬものうつくしき
家々に水ゆきわたり春夕
脚たちは波をからかひ夏隣
泥鰌皆泥にねむれるみぞれかな
ゆれてゐる水の涼しきバケツかな
標高の相似たる山笑ふなり
めらめらと百合から百合へくろあげは
蝶追へる蝶山々は粧へり
春光や「深つ!」と少女谿覗く
入ることなきビルばかり秋の雲
撫でられてながくなる猫夏夕
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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