『囀に』は栗原修二(1952 - )の第1句集。序文:小川軽舟、跋文:奥坂まや。
著者は「鷹」同人。
手の染みに痛みの記憶夏帽子
新調のシャツ新涼のドア開く
拾はれて枯野のバスに眠りけり
海峡にアフリカ淡き青葡萄
樽底の鮒鮓思ふ湖の雨
捨て時の歯ブラシやさし遠花火
本ひらく微光を頬にクリスマス
川の景たまりしカメラ猫の恋
察するに宝塚ファン湯引鱧
より広き水恋ふ水や流灯会
母の日の母にゆつくりわが名湧く
濡縁から上がる介護士扇風機
秋彼岸写真に棲むも楽しさう
重心を抱きとる介護小鳥くる
読まれざる詩歌はやがて囀に
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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