『はだかむし』は恩田侑布子(1956 - )の第5句集。
著者は「樸」代表。
羽あるは平らかに死し日の盛
かなかなの声に沖ある目覚めかな (原文は「かなかな」が二字分踊り字)
めしひたる狐火に蹤けられにけり
ひよこひよこ散華のごとく生れ来し (原文は「ひよこひよこ」が三字分踊り字)
クリスタルキューブの時計若葉雨
骨伸ばしやるかに盆提灯ひらく
初富士や大空に雪はらひつゝ
蒼海に蔵する雪を富士と呼ぶ
秋の庭かたき畳を踏みゆけば
鬩ぎあふ四大プレート龍天に
涙袋大き法然春の夢
中国古代史万緑のうねりかな
天皇に人権のなし秋の暮
金のまぶた回す長夜のカメレオン
北風や川面くまなきあばら骨
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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