2022年2月
邑書林
『桜狩』は鈴木玲子(1951 - )の第1句集。序文:谷口智行。
著者は「運河」同人。
血抜きせし鹿肉もらふ薬の日
石舞台見ゆる花野に乳母車
ブランデーかけて猪肉焼きにけり
広縁に座して月待つ山家かな
淀川は濁りて速し夏燕
抜き難し砂地に伸びし青葦は
東吉野村、藤本安騎生邸
もてなしは玉露につづき蝮酒
地蔵盆光るおもちやを当てにけり
氷室神社(五月一日)
献氷祭色よき鯛を氷柱に
元旦の星美しき山家かな
会葬は村人総出ほととぎす
一万歩奈良を歩きて初句会
洞窟を巨岩を巡り船遊び
潮速き海渡り来て鱧料理
峠越え間道抜けて薬喰
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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