『ふつうの未来』は越智友亮(1991 - )の第1句集。序文:池田澄子。
著者は池田澄子に師事。
冬の金魚家は安全だと思う
思い出せば思い出多し春の風邪
背筋のばせば呼吸しやすし新樹光
そっぽ向く君すすき原広がりぬ
椅子の背にコート落ち着かせて会話
マスクメロンの綺麗な網目西葛西
文字にして言葉恥ずかし水中花
逢うと抱きたし冬の林檎に蜜多し
骨それぞれ持ちつ持たれつ水温む
肝臓の仕事思えば金亀虫
混ぜて扇いで酢飯かがやく夏はじめ
樹々は夏歩きて最寄駅遠し
天高し鞄に辞書のかたくある
手をふられると手を振り返す春のくれ
枇杷の花ふつうの未来だといいな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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