『ことり』は小川楓子(1983 - )の第1句集。
著者は「舞」会員。
花栗のさあかす白湯を飲むところ
両手からきつねこぼしてしまひけり
わが産みし鯨と思ふまで青む
かいつぶり真昼あなたがゐるやうな
芋虫やぼくらの靴がよく鳴つて
水温むプラネタリウムにお急ぎなさい
母は白夜のわたしは昼の匙のまへ
水涸れて白パンを作つてください
木のボタン貝にとりかへ夏休
蛇の眠りのあたたかい飲みものの
うねりたる砂のてざはりなる茸
鬼ごつこの春はいぢわるなシスター
海月いまどのあたりでせう父さん
下山してからのトンカツ麦の秋
バナナの斑きつと天牛が大きな夜が
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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