『檸檬のかたち』は三輪初子(1941 - )の第4句集。
著者は「炎環」同人、「わわわ」代表。
にんげんでよかつたかどうか花筵
露の世やいつめざむるも薔薇に棘
月涼し森を動かす沙翁劇
地平線に月のあかあか氷下魚釣り
春らんまん呼ばれふりむくたびに老ゆ
乾くまで人魚めきたり洗ひ髪
春立つやコントラバスの陰の人
泣きながら子ども神輿へ追ひつく子
水旨き国に生まれて墓洗ふ
鬱の日や雛人形の向き変へし
立ちあがる父の幻影積乱雲
炬燵より父の靴下ひとつ出づ
好きな子を黙つてながめ卒業子
オードブルアスパラガスのパの元気
Tシャツの模様のおなじ知らぬひと
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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