『海峡』は青池亘(1973 - )の第1句集。序文:太田土男、跋文:中山世一。
著者は「百鳥」同人。
石段は海へ海へと鳳仙花
船頭の声だけになり秋の水
梅雨晴間泥より豚の起き上がる
彼岸花犬もたぬきも通りたる
ラガー等の窮屈さうな写真かな
星涼し妻も胎児も眠りゐる
焚火の香赤子の髪にうつりをり
噴水に子の友達のできはじむ
卒業やバレーボールに寄せ書きす
夏帽へ麒麟の首の降りて来し
何冊も絵本読みたる夜長かな
母屋より聞こえてきたる初笑ひ
台風裡餃子の皮を展ばしをり
水面にすれすれの橋花曇
金属を打つ音混じる夕立かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。