『天使』は小島明(1964 - 2021)の第1句集。帯文:夏井いつき、跋文:中上哲夫。
著者は「J句会」参加。
銀紙のやうな二月の海見えて
その家のカルピス濃ゆし秋簾
惨劇に似て山積みのスケート靴
アカシアの花まみれなるボンネット
つはぶきのひとかたまりのひかりかな
ラグビーの大きな空の残りけり
この家の鏡の数や狐啼く
聖フランチェスコの小鳥来たりけり
爽やかや巨樹に魂あらずして
二十階あたりで冬に入りにけり
老女抱く夢に目覚めて冬の月
定型の冬(樹の中に樹は眠り…)
冬蠅の小さき影あり死後もあり
読初めの推理小説推理せず
多く聞き少し話しぬ新豆腐
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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