『ヒヤシンス』は杉原青二(1931 - )の第1句集。序文:中村猛虎、跋文:林誠司。
著者は句会「亞流里」、句会「ブラン」会員。
理科室の光歪めるヒヤシンス
F1のスリップ痕や夏に入る
湯たんぽの水捨つるとき水を見る
レコードに針の吸ひつく春の夜
朧夜やをばたちが嚙む祖母の骨
紙風船父が破つてしまひけり
白玉や舞妓の口のおそろしき
膨れゆく藪蚊の腹を観てをりぬ
飛び込みのありしホームのカンナかな
風光る受胎告知の指の先
寝つかれぬ夜のプールの光かな
喧嘩独楽だれか私を止めてくれ
湖の底は明るし夏蒲団
下駄箱の奥の静謐忘年会
分厚さがうれしき夏の時刻表
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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