『白露』は赤間学(1948 - )の第2句集。
著者は「楡」宗匠、「滝」同人、「青磁会」会員。
大津波見てゐし春のサングラス
大空をトランペットの暮春かな
はつなつのさつきまで海だつた水
臍ありて帯の定まる桐の花
夕立はみな俤にしてしまふ
なにげなく枯木叩きぬふたつ三つ
たまに来て父は火鉢を据ゑくれし
原発のもろく冥(くら)くを霜夜といふ
ダム底の見えてゐるなり狐罠
鶯の去れば無縁の人ばかり
バリトンにソプラノからむ雨水かな
接岸時大タイヤ凹みたる夏
想はねば海は消えゆく羽蟻の夜
外は水のやうな月明であらう
大寒の鋼の如き母子かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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