『亀の失踪』は瀬戸正洋(1954 - )の第6句集。
著者は「里」創刊に参加。
秋の暮ジェットコースターは落ちる
封筒に現金入れて林檎かな
東京タワー雑煮となるまでの時間
高級目刺だと言はれ確かにさう思ふ
春深しウイスキーのあと甘いもの
冷房の神様が居て頭痛かな
どら焼きの賞味期限や茶立虫
冬耕やバスが通り過ぎたら昼
階段がありエレベーターがあり春昼
日向にも日陰にもゐる毛虫かな
柘榴落ちて横断歩道を転がれり
蕨餅食うてカプセルホテルかな
籐椅子や脳細胞は萎縮する
線香花火の指のかたちやみなそれぞれ
塩羊羹と万年筆の寒さかな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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