『奎星』は小池康生(1956 - )の第2句集。
著者は「銀化」同人、「奎」代表。
ストローの先で回るや石鹼玉
たけのこの白きところに値の書かれ
蠅生まるビル一面に室外機
噴水のわづかに顔にかかる距離
復習ふなり硝子に踊り映し込み
ななふしのやうにどこかにゐてくれる
いくつかは老舗で揃へおでん種
シーソーに妻から浮いて夕桜
いちにちが了るだけなり秋の暮
林檎嚙む林檎のなかに倦みし音
冬眠の蛇金色に変はりけり
アマリリス芦毛の馬を選りて乗る
森奥へ曲がつてゆきし翡翠かな
六本の脚持つ鉢や台風来
しぐるるや裾野に旨き店並ぶ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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