『宇宙の音符』は豊里友行(1976 - )の第3句集。
著者は「月と太陽(ティダ)」俳句会代表。
ケータイの顔が燈る人類の焚き火
青空の画鋲のような戦闘機
恐竜がこちらを覗くジャガイモの芽
首のない平和な冷蔵庫のチキン
戀びとは
銀河となって
濡れてゆく
紫陽花のほかは捕虜の列だった
ふくろうの瞬きは銀河の匙だ
神々は入道雲の宮殿へ
あふりかまいまいつぶしてあるく老婆
石が泣く
虹の風化の
血しぶき
貝塚のようなマンションの乱立
憲法の骨組みピカソの夏至南風(カーチーベー)
月下美人老々介護の舌を出す
ういるす籠もりの兵馬俑の銀河
オリオンの火種をもらうウイルスよ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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