『草魂』は宮坂静生(1937 - )の第13句集。
著者は「岳」主宰。
恐竜のうんこの化石こどもの日
白鳥を食べしことなど捕虜の夏
でで虫の飛び発つ夢を見よ母子
湘子忌や暗礁(いくり)の怒濤手向けたし
憲法に鋼の勁さ麦熟るる
秋の蛇地球流体感に充ち
鶏頭は仆す外なし曠野たり
稲滓火(いなしび)の頃父荒れしわれも父
稲滓火―田仕舞の火
わたの原へと初富士の歩き出す
雪に灯を置き罔両をよろこばす
三月二日は金子皆子夫人の命日
皆子忌の沖へ兜太の舟を出す
天蚕蛾鳥のごとくに籠に飼ひ
世が崩れ出す純白の草茸
白菜を浴ぶるがごとく食ぶるが好き
軍艦に和して馴染まず春の海
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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