肩凝りと眠気が相変わらず病的にひどく、何も読めない日が多い。コロナ自粛のおかげで図書館は閉まっているし、古本屋にもろくに行けないしで積読が減ってもいいはずなのだが、いっこうに減らない。
今回、装幀が懐かしいというのは角川文庫の筒井康隆2点と式貴士『天虫花』(CBS・ソニー出版)、小松左京『シナリオ版 さよならジュピター』(徳間文庫)、野田昌宏『銀河乞食軍団9―タンポポ村、発見!』(ハヤカワ文庫)くらいか。眉村卓『わがセクソイド』(立風書房)は古すぎて逆に初見。
『鶴見和子を語る―長女の社会学』、『小野市詩歌文学賞 上田三四二記念 「小野市短歌フォーラム」記念講演集』、近藤洋太『眞鍋先生―詩人の生涯』は著者または編者から寄贈いただきました。記して感謝します。
本田創・高山英男・吉村生・三土たつお『はじめての暗渠散歩―水のない水辺をあるく』ちくま文庫・2017年
《テレビの散歩番組でもよく出てくる暗渠って何?それはかつて川や水流だった跡地のこと。暗渠をさがせば街は探検の舞台となり、暗渠をたどれば土地の歴史が見えてくる。本書では、まず橋跡、車止めなど暗渠探しのポイントを開示。次に、夜の暗渠、文学や漫画作品と暗渠などの様々な魅力を伝え、東京を中心に、横浜、埼玉、大阪、神戸の主な暗渠も案内する。》
隆慶一郎『柳生非情剣』講談社・1988年
《連也斎・十兵衛・宗冬・友矩らの鮮やかな生死。奔放な発想とゆるぎない筆致で迫まる奥深い人間のドラマ。異様な迫力で柳生の剣と人間を描く出色の時代小説。》
収録作品=慶安御前試合(柳生連也斎)/柳枝の剣(柳生友矩)/ぼうふらの剣(柳生宗冬)/柳生の鬼(柳生十兵衛)/跛行の剣(柳生新次郎)/逆風の太刀(柳生五郎右衛門)
隆慶一郎『鬼麿斬人剣』新潮社・1987年
《山中に捨てられ、長じて名刀工・源清麿に師事した巨躯の野人・鬼麿は、亡き師が心ならずも遺した数打ちの駄刀を諸国に捜し、切り捨てる旅に出た。様(ためし)剣術独特の構えから繰り出されるその長刀は、人も刀も石をも鉄も瞬時に切り裂く。中山道、野麦街道、丹波路、山陰道と、師の足跡を追い、女を惹きつけ、伊賀者に追われつつ、異色のヒーローが繰り広げる斬人剣八番勝負。》
山尾悠子『ラピスラズリ』ちくま文庫・2012年
《冬のあいだ眠り続ける宿命を持つ“冬眠者”たち。ある冬の日、一人眠りから覚めてしまった少女が出会ったのは、「定め」を忘れたゴーストで――『閑日』/秋、冬眠者の冬の館の棟開きの日。人形を届けにきた荷運びと使用人、冬眠者、ゴーストが絡み合い、引き起こされた騒動の顚末――『竃の秋』/イメージが紡ぐ、冬眠者と人形と、春の目覚めの物語。不世出の幻想小説家が、20年の沈黙を破り発表した連作長篇小説。補筆改訂版。》
藤嶽彰英『一軒宿の温泉』カラーブックス・1984年
《いい湯があって、「こんなところまでまあ、よく来たね」と迎えてくれる人がおればいい。私は、温泉のある一軒宿を、生活に密着した日本文化の、最後の砦と考えたい。》(「はじめに」より)
二見史郎『抽象の形成』紀伊国屋新書・1970年
《抽象芸術の誕生と展開を、世紀末画家の模索やロシアでの動向を通じて原理的に考察》
ジャン・ジュネ『女中たち バルコン』岩波文庫・2010年
《姉妹の女中が、夜ごと奥様と女中に扮して奥様殺害の演戯にふけり、ついには自らを生け贄に捧げる危険な「ごっこ芝居」『女中たち』。権力と幻惑の表象ゲームが、「幻想館」の客と娼婦の性的演戯に変換され、革命を挫折させる『バルコン』。泥棒=詩人による「祭儀的演劇」の発する黒々しい黄金のアウラ。》
井上靖『楼門』集英社文庫・1979年
《出世欲も捨て、名聞とも隔てられた男の孤独、倦怠、憂悶、諦念が、古都の楼門を冴え冴えと照らす白い月に浮かび上がり、凄絶な絵画のように描かれた「楼門」ほか、人生のさりげない側面を淡々とした筆致で描き、垣間見る一瞬に生の真実をとらえた「ある日曜日」「北国の春」など心に沁みる珠玉の十編を収録。 解説・福田宏年》
収録作品=楼門/司戸若雄年譜/春寒/北国の春/銹びた海/斜面/ある日曜日/七夕の町/夜の金魚/七人の紳士
湯川秀樹『人間の発見―湯川秀樹対談集3』講談社文庫・1981年
《感銘深い対談と鼎談
植物的世界観 北村四郎
分割の果て 渡辺格
荘子の世界 宮地伝三郎/福永光司
休みの思想 作田啓一/多田道太郎
おそれ なだ いなだ
歴史の中の人間 司馬澄太郎/上田正昭
自然の中の人間 源豊宗/吉田光邦
西行の世界 五米重
情 水上勉
メルヘンの世界 庄野英二/森本哲郎
生きがい 市川亀久彌
心の遍歴 市川亀久彌》
鶴見俊輔・金子兜太・佐々木幸綱/黒田杏子編『鶴見和子を語る―長女の社会学』藤原書店・2008年
《哲学者・鶴見俊輔による初の鶴見和子論
社会学者として未来を見据え、また“道楽者”としてきものやおどりを楽しみ“生活者”としてすぐれたもてなしの術を愉しみ……そして斃れてからは「短歌」を支えに新たな地平を歩みえた鶴見和子は、そのような独特の人生のかたちを、自らどのように切り拓いていったのか。》
小野市・小野市教育委員会・小野市文化連盟編『小野市詩歌文学賞 上田三四二記念 「小野市短歌フォーラム」記念講演集』短歌研究社・2020年
川本三郎『小説を、映画を、鉄道が走る』集英社文庫・2014年(交通図書賞)
《物語はいつも鉄道が運んできた――。松本清張の『点と線』、水上勉の『飢餓海峡』、小津安二郎の『東京物語』など、日本の小説史、映画史に燦然と輝く作品の中で、度々描かれてきた鉄道のある風景。あの場面には一体どんなドラマが潜んでいたのか。鉄道が発達した日本の情勢や時代背景をもとに、著者が登場人物の心情を紐解いてゆく。旅と物語が出会う至福のエッセイ集。第37回交通図書賞受賞作。》
山折哲雄『日本人の顔―図像から文化を読む』知恵の森文庫・2008年
《なぜ神像は老人の顔をしているのか、なぜ武士の鼻は大きく描かれているのか、親鸞と道元の肖像がなぜ似ているのかetc.。埴輪、仏像、能面、肖像画、浮世絵などから窺える日本人の顔を題材に、時代精神や価値観、隠された心情を読み解き、日本文化を探っていく。変遷するそれらの顔立ちに託したものに、尽きぬ興味が湧いてくる。解説・小松和彦》
倉田百三『愛と認識との出発』角川文庫・1950年
《苦悩と試練に充ちた青春の中から正しく生きゆく道を切り開いて人間の霊魂のまさに赴くべき方向を探究し、過失を通じて更に一層完きものに近づく知恵を獲得してゆく過程の記録である。大正、昭和初期に青春を迎え人生に思いをひそめた者の、本書をひもとかぬものはなかったといわれる程、万人に愛読される書。》
近藤洋太『眞鍋先生―詩人の生涯』書肆子午線・2020年
《眞鍋呉夫生誕100年記念出版。
戦時下、同人誌「こをろ」に集った若き文学者たちとの青春、「現在の会」への参加と共産党への入党、日本浪曼派の流れを汲む文芸誌「ポリタイア」への参加、戦争、戦後を通し「孤立においての連帯」を求めた俳人・作家、眞鍋呉夫。
43年にわたってその謦咳に接した著者が描く詩人の生涯。
眞鍋呉夫は最晩年にいたるまで、無結社を貫いた。宗匠となることを拒んで、座の人間はみな平等で対等な関係であることをめざした。俳句が「師系」の文学であることを認めなかった。しかし芭蕉と曾良、魯迅と柔石、萩原朔太郎と伊東静雄といった人たちの間にはあった、他からのいかなる権威や道徳や習慣によって成立した関係とも無縁な「因習外の師弟関係」を求め続けた。(「第十章 生涯無結社」より)》
ブライアン・オールディス『ありえざる星』創元推理文庫・1970年
《60年代にイギリスSF界の“新しい波”の旗頭としてバラードとともに登場したブライアン・オールディスが描く注目すべき未来社会テーマの作品集。頂点に達した人類の進歩、地球の文明を継承するものはだれか? 人間に取って代わるものはなにか? 機械文明の中で人間は復活できるのか? 底流にペシミスティックな雰囲気を漂わせる彼一流のSF世界の総決算として、初期から現在までの作品のうち珠玉の14編を出版者の要請によって、作者自身がまとめた傑作短編集。》
収録作品=だれが人間にかわれる?/不滅/跫音/外がわ/黙劇/新・サンタクロース/未来/哀れ小さき戦士!/橋の上の男/ありえざる星/協定の基盤/死の賛歌/技巧の一種/彼の時間の男
四方田犬彦『回避と拘泥』立風書房・1994年
《天皇、米、原爆、李香蘭、儒教、紅衛兵、北朝鮮など、苦く甘美な極東の営みをめぐる評論集。日本を神話的に築きあげてきた問題の内と外を行き来する評論11篇を収録。日本という神話の終焉。》(「MARC」データベースより)
四方田犬彦・石井睦美『再会と別離』新潮社・2011年
《23年の月日を経て再会した二人は、互いの人生に起きたいくつもの出会いと別れを手紙にして語り合った。父との壮絶な闘いを書き尽くす四方田、死を呼び込んだ家庭内の軋轢を綴るペンが、ふと止まる石井。それぞれが、今なお消えぬ苛烈な記憶と対峙するドラマの中で、友情と死、親と子の確執、そして恩寵としての再会が論じられていく。》
金関丈夫著/大林太良編『新編 木馬と石牛』岩波文庫・1996年
《「和漢洋にわたる象のように重い知識と、それに拮抗し得る鳥のように軽い精神をもちあわせている」と評され、しばしば南方熊楠に比せられる金関丈夫(1897-1983)。人類学・解剖学・民族学・考古学・言語学などにわたる広範な知識を駆使し、するどい着眼で東西の説話や伝承を自在に比較考証、学問をたのしみながら新たな視野を拓く。》
内田樹『うほほいシネクラブ―街場の映画論』文春新書・2011年
《「映画は、映画について語られることを欲望しているジャンルである」が持論の著者が、長年、書きためた映画評の中から自ら厳選。画期的な小津安二郎論10本を含む187本。DVD購入ガイドとして、「文化論」のレポートの参考に、酒場のネタにも。》
眉村卓『わがセクソイド』立風書房・1969年
《社会派の旗手が描く、近未来のくらい青春の焔!!
限りない繁栄の中で、フリーセックの渦の中で、疎外感に悩みつづけた青年がつかんだものは、はたして幻影だったのか? 生身の人間と機械が織りなす、破滅への光と影!!》
《これが、東海道メガロポリスなのか? これが子供のころ聞かされた“すばらしい未来”だというのか? 世の流れに逆らい、純粋であろうとしながら、刻々とスポイルされていることを自覚していた浅野年夫は、エリートコースを突っ走る水原の忠告にも耳をかさず、セクソイド・ロボットであるユカリとの愛に、すべてをなげうち、埋没しようとする。だが、そのとき、すでに破局は用意されていたのだ!》
平井和正『超革命的中学生集団』ハヤカワ文庫・1974年
《おれの名前は横田順弥、中学一年生の美少年だ。身に覚えのない言いがかりで、級友の肥大漢鏡明から果たし状をつきつけられたおれは、仲間の正明やワタビキ殿下を介添人におっかなびっくり指定されたお稲荷さんへと出かけたのだが――なんと! いざ血闘というまさにその瞬間、突如頭上に出現した空飛ぶ円盤のおかげで、そこに居合わせた一同六人途轍もない超能力者になってしまったのである! おれたちは宇宙人Xに選ばれたスーバー・ウルトラ・エリートなのだ! かくて結成された略称〈超革中〉が巻き起す、空前絶後、抱腹絶倒のハチャメチャ騒ぎの結末は?》
斎藤美奈子『文学的商品学』文春文庫・2008年
《文学の面白さはストーリーや登場人物の魅力だけではない。作品に登場するモノやその描写を見ていくと、思いもかけなかった読み方ができることに気づくだろう。ファッション、食べ物、ホテル、バンド、野球、貧乏など、9つのテーマをめぐり、のべ70人、82作品で語られる文芸評論。 解説・佐藤尚之》
山田正紀他『破局のおすすめ―新「宇宙塵」SF傑作選Ⅰ』河出文庫・1987年
《星新一以来、SF作家のほとんどが参加、日本SF文学の源泉であり続ける同人誌「宇宙塵」は、創刊30周年を迎えました。『新「宇宙塵」SF傑作選」I・Ⅱは同誌主宰者・柴野拓美が、ここ10年間の掲載作から代表的傑作を精選・集成した、SF文学の新時代到来を告げる記念碑です。『破局のおすすめ』では、山田正紀のほか宮武一貴・梶尾真治・久米康之・新井桃江がSFの未来を示す新風をおくります!》
収録作品=終末曲面に骰子を投げ入れて(山田正紀)/COPPELIA(宮武一貴)/地球はプレインヨーグルト(梶尾真治)/猫の交差点(久米康之)/プラズマ育ち(新井桃江)
筒井康隆『革命のふたつの夜』角川文庫・1974年
《シュプレヒコールが、突然、怒号と叫喚に変わった。内ゲバに遭ったらしい女子学生が救いを求めてきた。小柄だが肉づきのいい女性だ。抱き起こすと、彼女の方から夢中でしがみついてくるではないか……。
優柔不断の〈理解ある教師〉を襲った、ふとした自制心の乱れ? “周波数”のまったくちがったゲバ学生に踊らされるあわれな大学教授を、皮肉なタッチで描いた表題作。ほか著者会心の傑作七篇収録。》
収録作品=母子像/くさり/となり組文芸/巷談アポロ芸者/コレラ/泣き語り性教育/深夜の万国博/革命のふたつの夜
筒井康隆『脱走と追跡のサンバ』角川文庫・1974年
《脱走してやるぞ!
どんなことがあっても、脱走してやる。このいやらしい世界から逃げ出してやる。こんなところにとじこめられていてたまるものか。
まさに汚物の墓場の下水管を通り抜けマンホールからこっちの世界に入りこんだものの、いまやあっちの世界ヘ脱出だ! もう脱出するための行動しかのこされていないのだ。
奇想天外な発想で現代をパロディ化し、現実と虚構の世界を渾然一体に描いた著者会心のSF長編小説。》
式貴士『天虫花』CBS・ソニー出版・1983年
《だから、磯田氏が「2冊同時発売」という案をだした時に、ぼくの頭には、表紙にする2枚の絵がビーンと浮かび上がった。となるとテーマは、やはり「抒情ファンタジー」と「セックス」ものしかない。これから、その絵にぴったりの作品を創りだしていけばいいわけだ》(「日記風・長いあとがき」より)
収録作品=夢の絆/水中花/虹の橋/二人静/肉の蝶/面影橋/猫の星/天虫花/時の雫
ジャン・ジュネ『葬儀』河出書房新社・1987年
《倒錯の性に妖しく彩られた目くるめく世界。オナニスト的夢想家ジュネが緊張感あふれる壮麗な言語を駆使した暗黒文学の極北! 今また甦るジュネの代表作。オリジナル私家版より完訳。》
監修=荒俣宏『知識人99人の死に方』角川文庫・2000年
《死にゆく時、人はたったひとり。死の前に人は完全に平等である。だが、そういうシンプルなあり方を誰もが等しく見つめることができるわけではない。この点て死は不平等でもある。
ここに登場する99人は、考えることを生業にした人たちだ。彼らは死を迎えるにあたって何を思い、どのように死んでいったのか?
あなたもいつかはひとりで死んでいく。その時のために、99人の先輩に学ぶことにしよう。》
井上靖『海峡』角川文庫・1961年
《服飾雑誌の編集部員・杉原は同僚の宏子を愛し、宏子は編集長の松村を恋し、松村は由加里に想いをよせる。そして由加里の夫・庄司は今年も渡り鳥を求めて雪の下北半島へ入る。思い思いの気持ちで庄司のあとを追った松村、杉原の耳に渡り鳥の啼き声はもの悲しくひびいてくる……。様々な人間が綾なす愛の交錯をきめこまかに描く。》
小松左京『シナリオ版 さよならジュピター』徳間文庫・1984年
《木星太陽化計画調査主任本田英二は、宇宙考古学者バーナード博士とパイロットのキン大尉から、火星で発見された巨鳥のナスカ絵は宇宙人からのメッセージで、木星に解読の鍵があると知らされる。
木星大気にいったい何が存在するのか。なぜ彗星の数がここ数年激減しているのか。この太陽系に何が起ころうとしているのか。
人類の危機に立ち向う人々の姿を壮大に描くSFスペース・ロマンの超大作。》
野田昌宏『銀河乞食軍団9―タンポポ村、発見!』ハヤカワ文庫・1987年
《星涯星系の高級住宅地にある一軒の邸に生まれながら寝たきりの少年がいた。折り合いの良くない継母と留守がちの父親――少年は孤独だった。だが、この少年こそ、自分の頭の中に多次元空間をイメージできるという、何億人にひとりいるかいないかの稀有な能力の持主なのだ。看護婦として邸に入りこんだ〈銀河乞食軍団〉のユキは、孤独な少年の心を捉え縮圧されて四次元的に切り離されてしまったタンポポ村の位置割り出しを依頼したが……少女パムの「両親とタンポポ村を探して欲しい」という頼みに〈銀河乞食軍団〉は応えることができるのか?》
樺山紘一『地中海の誘惑』中公文庫・1985年
《ギリシア・ローマ文化を生み、キリスト教を育て、ルネサンスの花を聞かせた地中海の国々、島々。ヨーロッパ文明の母胎となったその三千年の歴史にテーマを拾い、そこに生きた人々に想いをはせる。》
瀬戸内寂聴・永田洋子『瀬戸内寂聴・永田洋子往復書簡―愛と命の淵に』福武文庫・1993年
《連合赤軍事件の当事者である永田洋子が赤裸裸に気持をぶつけ、大きな抱容力でそれをつつむ瀬戸内寂聴との愛と命のいとおしさにあふれる往復書簡。今、事件から21年、死刑判決直後の書簡を新たに収録し、あらためて戦後の歴史の起点である連合赤軍事件の真の意味を問い直す。》
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