『式日』は安里琉太(1994 - )の第1句集。栞文:岸本尚毅、鴇田智哉、鳥居真里子。
著者は「銀化」「群青」同人。
ひいふつとゆふまぐれくる氷かな
金亀子飛ぶことごとく遺作の繪
葛咲くや淋しきものに馬の脚
夕立のみるみる濡らす乾電池
猫の子が枕の中を知りたがる
かりがねに冷ゆる深山の鑿鉋
読初のたちまち暮れてしまひけり
手鞠麩の箸をのがれて谿は雪
くらがりにあらあらしきは雛あられ
するすると泳いで秋のかたつむり
沼に浮く傘のふしぎを葛の花
こもりくの田に遊ぶ狆花まみれ
摘草やいづれも濡れて陸の貝
花を焚くけむりが西へ秋の声
たそがれの雲間の凧をふと見たり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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