『空の涯』は宮田應孝(1932 - )の第2句集。序文:小澤實、栞文:星野高士。
著者は「澤」「玉藻」同人。
一斉に珊瑚放卵朧月
鰭酒にをんな寄り目となりにけり
ハンドベル鳴らして聖夜婆八人
名古屋晴関ヶ原雪京都晴
初夢のわれ牡牛なり背に美女
紀州髭白久賀寿(ひげしろひさかず)氏より年賀状
陸奥長門続き大和や青葉潮
惑星探査機流星として果てにけり
滾る湯に飛ばす刀削麺(ダイシャオミェン)師走
合宿ぞ裸足でチェロを弾く少女
休日や少尉の兄の白絣
次兄戦死公報
七月十日頭部貫通銃創ニテ戦死
授乳せり頭(づ)にサングラスずり上げて
二の腕にプリントタトゥあつぱつぱ
少女らの斉唱サ行音(おん)すずし
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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