11月3日、眉村卓死去。言葉もない。
平敷武蕉『修羅と豊饒―沖縄文学の深層を照らす』、たなかあきみつ『静かなるもののざわめき P・S―アンフォルム群Ⅱ』は著者または版元から寄贈いただきました。記して感謝します。
眉村卓『白い小箱』角川文庫・1983年
《不安やいらだちを、甘い女性の声で和らげ、良い気持ちにさせてくれる魔法の小箱。こんな素敵な宝物を手にして男は、さっそく、その声がささやく通りに行動しはじめた。
上司の反発にも、勇気をもって反抗せよ……女の子にも大胆に振るまって……etc etc。しかし、その彼を待ち受けている運命とは……?
大都会に住む孤独な人間たちの姿をSF手法で見事に描ききった秀作集。》
収録作品=走馬灯/執筆許可証/自動化都市/厄介者/出て下さい/おお、マイホーム/彼をたずねて……/待っていた奴/白い小箱/遠慮のない町/迷路の町
眉村卓『ポケットのABC』角川文庫・1982年
《「何だ、あれ」
ぼくは身体を乗り出して、新幹線の車窓のかなたをみつめた。集落の、とある家に、洗濯されて干してあるシャツの一枚ごとに、背番号のように文字が書かれていたのだ。読むと、……タスケテクレ……となる。が、ぎくりとした瞬間、文字は消えてしまった。さてその結末は……。
「タスケテクレ」より
奇妙な話、耳よりな話、恐ろしい話愉快な話、ふざけた話、迷走する話etc……。眉村卓の、SFショート・ショート満載。「ポケットのXYZ」の姉妹編。》
収録作品=ひとり遊び/お相手/AとBとCの話/どこかで聞いたような話/終電車/ロボットのたたかい/見えないたたかい/最高刑/深夜のできごと/復元映画/色即是空/テリカさん/進路指導/マイ・タイムマシン① 試用/マイ・タイムマシン② 講義(一)/マイ・タイムマシン③ 拾い物/マイ・タイムマシン④ 講義(二)/隣りの紳士/賭けの天才/彼女の手紙/速読術/タスケテクレ/ある日記/観察対象/最終テスト/実験開始/大秀才/スーパー・スター/イガロス・モンゴルベエ・ヤイト/Vさんのファンと/テスト機/特技/講義の相手/ノートの男/事情があります/友人を作る会/対面/アルバイト その1/アルバイト その2/アルバイト その3/アルバイト その4
眉村卓『ポケットのXYZ』角川文庫・1982年
《仕事を済ませ、オフィスを出ようとしたときにあらわれたひとりの男。 そいつは以前、私の部下として入ってきた新入社員で、仕事で自信喪失したあげく、自殺してしまったはずの男なのだ。
「幽霊!」
そいつは、ぼくを見つめていたが、やがてかぼそい声を出した……。
「あわれっぽい話」より
珍妙な話、不可思議な話、楽しい話、極端な話……眉村卓の、SFショート・ショート満載。「ポケットのABC」の姉妹編。》
収録作品=あわれっぽい話/類型的な話/アホらしい話/ひまつぶしの話/災難 A/災難 B/災難 C/災難 D/番号札/番号時代/番号と名前/番号魔にして数字占い/どこかにありそうな話/ミスター哲学者/電話の反応/今週の賞/走る (1)/走る (2)/走る (3)/走る (4)/新年宴会/酒癖/立食パーティ/ローパーよりの報告/逃げる話/かなえてあげよう/そいつ/追跡と逃走/人生設計/運命のいたずら/仕事場にて/ピッカピカ その(一)/ピッカピカ その(二)/ピッカピカ その(三)/ピッカピカ その(四)/ピッカピカ その(五)/るんるんの(A)/るんるんの(B)/るんるんの(C)/るんるんの(D)/踊るユウレイ/踊る探検隊
陳舜臣『中国任侠伝』文春文庫・1975年
《中国の生んだ豪傑、英雄、美女、悪女、そのスケールはいずれも限りなく大きい。『史記』その他の中国古典に材を得て、その広大無辺のエネルギーそのままに、波乱万丈の豪傑譚が展開する。他人のために自らを顧みない行為である“任侠”の道に、生涯を賭けた豪傑たちが縦横無尽に活躍する血沸き肉躍る武侠小説。》
平敷武蕉『修羅と豊饒―沖縄文学の深層を照らす』コールサック社・2019年
《平敷氏の批評する姿勢は、たとえ大家であっても新人であっても決して手を緩めることなく作品に向きあって、沖縄文学の優れた試みであるか否かを内面に問いながら記述していく、純粋な批評精神に貫かれている。(鈴木比佐雄「解説」より)》
レイ・ブラッドベリ『十月の旅人』新潮文庫・1987年
《ノスタルジアと残酷、無邪気な童心と突加訪れる狂気――宇宙時代の散文詩人レイ・ブラッドベリの初期作品群から傑作のみを精選。妻への不信と愛への渇望に引き裂かれた男の惨劇「十月のゲーム」。何でも所有者の望む役割を果たす不可思議な装置「ドゥーダッド」。小惑星に不時着した男にしのび寄る不条理な恐怖「夢魔」。甘美で、そして冷たい詩情漂う10の佳編を収めた純文学風SF短編集。》
収録作品=十月のゲーム/休日/対象/永遠と地球/昼さがりの死/灰の怒り/過ぎ去りし日々/ドゥーダッド/夢魔/すると岩が叫んだ
コーラル・ロレンゼン、ジム・ロレンゼン『UFO―目撃者の証言』角川文庫・1975年
《UFOとは写真のトリックなのか? それとも乱気流によるたんなる気象現象に過ぎないのか? あるいは、宇宙人の乗る空飛ぶ円盤なのか?
1878年1月、アメリカの新聞「デーリー・ニュース」がUFO目撃の事実をはじめて報道して以来、年々目撃者の報告は増え、近年、わが国においてもこの問題に対する関心はとみに高まりつつある。しかし、数多くの目撃者の証言が報告される一方では、あきらかに誤認、誤報と思われるものも少なくない。
本書は、UFO研究の権威である著者夫妻が、これらの証言、報道を分析して、敢然とUFOの謎に挑んだ好著である。19世紀末から今日に至るまでの目撃報告の膨大なデータを集め、整理、検討した本書は、広くUFO現象を考察する上でも責重なものとなろう。》
石原藤夫『SFロボット学入門』ハヤカワ文庫・1981年
《SFの世界の数多くの住人たち――異星人、エスパー、未来人、そして、ロボット。 ロボットは、「ゴーレム伝説」に見られるように、SFがまだSFの形をとっていなかった神話伝承の時代から文芸作品に登場し、すでに確固たる登場人物の地位を確立している。一方、テクノロジーの進歩と発展は、空想上の産物にすぎなかったロボットを、現実の世界につくりだした。本書は、科学的な側面からロボットの原理、可能性をさまざまなデータを駆使して解説しつつ、小説ばかりでなく映画、演劇などの中での活躍ぶりをあますところなく伝える好書である。》
橋爪大三郎・大澤真幸『ゆかいな仏教』サンガ新書・2013年
《葬式仏教と揶揄されたり、「禅問答」のように、やたら難解なイメージがつきまとったりの、日本の仏教。もともとの仏教はでも、自分の頭で考え、行動し、道を切り拓いていく、合理的で、前向きで、とても自由な宗教だった!
日本を代表する二人の社会学者が、ジャズさながらに、 抜群のコンビネーションで縦横に論じ合う、仏教の真実の姿。
日本人の精神に多大な影響を与えてきた仏教を知れば、混迷のいまを生きるわれわれの、有力な道しるべが手に入る!》
小塩節『トーマス・マンとドイツの時代』中公新書・1992年
《ドイツが世界を震撼させ続けた十九世紀後半から二十世紀前半を生き、「世界にかくも良きもの美しきものを与えた」のに、「再三再四かくも宿命的に世界の厄介者となったこの民族の性格と運命にひそむ謎」とはいったい何かと世に問うたドイツの代表的作家トーマス・マン。すぐれた論理的思考と、ロマン主義的愛国心が同居する矛盾というドイツ民族の悲劇性を自らのうちにみつめた作家を通して「ドイツの時代」の社会と文化の特徴を語る。》
収録作品=あぢさゐ(永井荷風)/その魚(吉行淳之介)/いろをとこ(里見弴)/童謡(川端康成)/継三味線(泉鏡花)/黒髪(大岡昇平)/戦時風景(徳田秋声)/梅龍の話(小山内薫)/四つの袖(岡鬼太郎)/雪解(永井荷風)/堀江まきの破壊(舟橋聖一)/そめちがへ(森鷗外)/なぎの葉考(野口富士男)/橋づくし(三島由紀夫)/海面(丹羽文雄)/名妓(中山義秀)/老妓抄(岡本かの子)/牡丹の客(永井荷風)/〈対談解説〉野口富士男・丸谷才一
牟田口義郎『物語 中東の歴史―オリエント五〇〇〇年の光芒』中公新書・2001年
《キリストを生みムハンマドを生んだ中東は、歴史上の転換点となった数々の事件の舞台であり、まさに世界の富と知の中心だった。ソロモン王とシバの女王の知恵くらべ。新興イスラーム勢力のペルシア帝国への挑戦と勝利。ムスリム商人による商業の隆盛と都市文化の繁栄。「蛮族」十字軍や、モンゴル帝国による進攻とその撃退。しかし、やがて地中海世界は衰退し、中東は帝国主義の蹂躙する所となる…。ドラマティックな歴史をたどろう。》
山田風太郎『妖異金瓶梅』角川文庫・1981年
《囚人の指、腕、足の関節、さいごに頸を斧で切り落とす「冎の刑」。この残忍な処刑見物の直後、県下随一の豪商西門家に奇怪な事件が起きた。
当上西門慶には多勢の夫人がいたが、第七夫人と第八夫人が、それぞれの部屋で両足を切断されて死んでいたのだ。邸内はたちまち峰の巣をつついたような大混乱に陥った。事件後に失踪した門番の男に疑いが集中していたが、西門慶の悪友、たいこもちの応伯爵は、この血なまぐさい事件に遭遇して、唯一人冷静に独特の推理を展開した……。
中国文学の金字塔に、著者が敢然と新解釈を挑んだ意欲的長編!》
山田風太郎『忍法忠臣蔵』角川文庫・1983年
《唐紙が音もなく開き、しずしずと御寝所に入ってきた白無垢衣装の処女。だが次の瞬間、好色な将軍綱吉の顔が恐怖に歪んだ。なまめかしい女体が血しぶきを上げて引き裂かれ、たちまち血まみれの肉塊と化したのだ!
自分の愛を裏切り、大奥へ上がった女を惨殺した伊賀忍者無明綱太郎は、江戸から米沢へ逃げた。上杉家城代家老千坂兵部にかくまわれた彼は、身の安全と引き換えに重大な密命を受けた。想像を絶したその任務とは……?
赤穂浪士討入りの蔭に暗躍する伊賀忍者と能登忍者の熾烈な戦いを描く、山田風太郎の傑作忍法帖。》
宮本常一『空からの民俗学』岩波現代文庫・2001年
《空から見下ろす地上の風景は無限の夢をさそう―旅の巨人・宮本常一はいつもカメラを携行し、残されたネガは八万枚に及んだという。開発の進む日本列島を俯瞰し、物干しにかかった洗濯物に日本人の生活の変化を鋭く読みとるとき、なにげない一枚の写真が見事な時代の証言となる。本書は、その独特の写真解読術のすべてを集成した未収録エッセイ集。》
東野芳明編『芸術のすすめ―学問のすすめ22』筑摩書房・1972年
《混迷する現代芸術を大胆に展望する!
執筆者――東野芳明、大岡信、山口勝弘、秋山邦晴、槇文彦、磯崎新、中原佑介、関根伸夫、原広司、粟津潔、羽仁進、武満徹》
清河八郎/小山松勝一郎校注『西遊草』岩波文庫・1993年
《幕末の尊攘派の志士清河八郎は山形庄内の素封家の生まれで俊秀の儒学者。安政二年の半年間、母を連れて善光寺から名古屋に出て、伊勢参りを果たし、さらに関西、四国、中国を回り、江戸を経由して帰るという大旅行をする。本書は、旅の宿で毎夜欠かさず記した旅日記で、当時の旅の実際,各地の風俗を細かに綴って極めて興味深い。》
森村誠一『虚構の空路』角川文庫・1976年
《小田原付近を通過中のひかり号車内で、検札の車掌が若い女の死体を発見! 死因は青酸中毒で、目撃者の証言から、東京駅発車寸前に降りた男の犯行との見方が強まった。そして三か月後、こんどは都内のホテルで男の刺殺体が。
二つの事件の重大な共通点が捜査本部を緊張させた。被害者は二人とも同じ会社の社員だったのだ。ただちに綿密な聞き込みが行われ、その結果、ある海外旅行社の営業部長が重要容疑者として浮かび上がった。だが彼には、両事件ともに完璧なアリバイがあった。
巧みなストーリィの展開と意表をつくトリック、著者会心の本格長編推理小説。》
柄谷行人『柄谷行人書評集』読書人・2017年
《12年分の新聞書評を漏らさず収録! 絶版の文庫解説付!
文芸評論家デビュー前に執筆された「小説家としてのダレル」(『英語研究』1969年4月号)だけでなく、「反ロマネスク・ヘミングウェイ」(石一郎編『ヘミングウェイの世界』1970年)や、武田泰淳『わが子キリスト』、大岡昇平『野火』、後藤明生『パンのみにあらず』、吉本隆明『改訂新版 言語にとって美とはなにか』といった絶版になった文庫解説、江藤淳、大岡昇平、坂口安吾らの全集解説ほか、現在まで著者単行本未収録の「書評/論文」をあまさず収録。柄谷氏が1970年に『日本読書新聞』に連載していた「方位‘70」(4回分)も収録。1960年代~70年代の多くの論考は、今回新たに発掘されたものが多い。現在ではほぼ目にすることができない貴重な論文である。加えて、文庫・全集解説として執筆された論文は、400字詰め20枚~30枚に及ぶものばかりであり、一本の「文芸批評作品」として読むことが可能である。》
山手樹一郎『たのまれ源八(一)』春陽堂・1978年
《いやらしい例えだが、一人前の成人だったら、男は女をみて、そとづらの清楚さは別として、ごく人間らしい関心から、その裸の姿を想像してみることもおありだろう。動物としての人間の愛欲の心の動きを正直にとらえることができたら、それは醜怪ではあっても、やはり真実なのだ。それを、のぞくことができたら?
山手文学の主人公はいつも陽性で、本編もまた主筋は知恵あり、剣に強い無類の博愛主義ゆえたのまれ源八と愛称される南堂源八と、三州西尾藩のお家騒動に対決するお話だが、彼らのおおらかさを際立たせるのは、徹底した悪の妖女ともいうべき青松院お松の方を設定したことにあろう。彼女の心の多淫な動きこそ、実は男女を問わない“性の業”ともいうべき哀しさがあり、逆に正義の人々の朗らかさは最後まで輝く。――発表時の「たのまれ源八」「源八邪淫の精」と、その後日譚「源八愛慾の川」の長編作を二巻に収める節制のきいたお色気充分の大長編!》
山手樹一郎『たのまれ源八(二)』春陽堂・1978年
《いやらしい例えだが、一人前の成人だったら、男は女をみて、そとづらの清楚さは別として、ごく人間らしい関心から、その裸の姿を想像してみることもおありだろう。動物としての人間の愛欲の心の動きを正直にとらえることができたら、それは醜怪ではあっても、やはり真実なのだ。それを、のぞくことができたら?
山手文学の主人公はいつも陽性で、本編もまた主筋は知恵あり、剣に強い無類の博愛主義ゆえたのまれ源八と愛称される南堂源八と、三州西尾藩のお家騒動に対決するお話だが、彼らのおおらかさを際立たせるのは、徹底した悪の妖女ともいうべき青松院お松の方を設定したことにあろう。彼女の心の多淫な動きこそ、実は男女を問わない“性の業”ともいうべき哀しさがあり、逆に正義の人々の朗らかさは最後まで輝く。――発表時の「たのまれ源八」「源八邪淫の精」と、その後日譚「源八愛慾の川」の長編作を二巻に収める節制のきいたお色気充分の大長編!》
ブリュノ・クレマン『垂直の声―プロソポペイア試論』水声社・2016年
《このように語っているのは誰なのか
レトリックの一つ、プロソポペイアに光を当てた、詩学も軸にすえた独自の方法論による、修辞学の脱構築!
国際哲学コレージュで院長をつとめた著者が、不在のものの「声」という、<思考のフィギュール>に迫る!》
ボリース・パステルナーク『初期1912‐1914―あるいは処女詩集から』未知谷・2002年
《詩人は泣く、詩の中で慟哭する。それは、宇宙が泣くということ、つまり、人の内なる魂が泣いているということだ――
二月のモスクワ、一番の凍寒が緩み始める二月の半ば、そのあとにやって来るのはいよいよ春なのである。三月ともなれば、本当の春が待ち遠しくて人々は気が狂いそうになる。パステルナークは、狂おしい程の雪解けの自然力と詩の出来上がるのを一つのことのように捉えて詩作する。
『初期 1912―1914』は宇宙の響=人間の生の意味を探る詩人の鮮烈なデビュー作といえる。》
ボリース・パステルナーク『バリエール越え 1914‐1916』未知谷・2002年
《ウラルの恋、ウクライナの恋、そしてドイツの恋。
異性への愛、その具体性を超え、情熱を自然へ宇宙へと転化させ、木々や星、風や花々、雷雨や雪、自然の事物や現象をロシアアヴァンギャルドの絵画性で描写した第二詩集。》
ボリース・パステルナーク『晴れよう時 1956‐1959』未知谷・2004年
《雨つづきの日々が終はりに近づき
雲間に空の青さが現れだす頃
決壊箇所の晴れ間は何といふ華やぎ
草地は何と祝祭気分に満ちてゐることか
別荘地で隠遁者のように暮らす晩年の詩人は
身近な自然や天候、移ろいゆく心境を静かにうたう
どの一篇一篇もみな失われていく〈時〉の墓碑銘であった》
山内志朗『普遍論争―近代の源流としての』平凡社ライブラリー・2008年
《中世哲学は、なぜ、トリビアルな問題の集積と見られがちだったのか? この謎を解く鍵が「普遍論争」である。「はたして普遍は存在するのか?」というこの単純な問いをめぐる一見煩瑣な論理をていねいに読み解くことにより、本書は、中世哲学のもつ豊穣な可能性を描き出す。哲学入門としても最適の一冊。》
たなかあきみつ『静かなるもののざわめき P・S―アンフォルム群Ⅱ』七月堂・2019年
加藤文元『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』角川書店・2019年
《人類に残された最後の超難問、ABC予想に挑む!
人類に残された超難問、ABC予想の解決をも含むとするIUT(宇宙際タイヒミュラー)理論。
京都大学の望月新一教授によって構築された論文は、「未来から来た論文」と称されるなど、数学界のみならず、世界に衝撃をもたらした。
この論文は、世界で理解できるのは多く見積もっても数人、といわれるほどの難解さであり、
論文の発表から6年以上たった現在もなおアクセプトに至っていないが、望月教授と、議論と親交を重ねてきた著者は、
IUT理論は数学者ではない一般の人たちにもわかってもらえるような自然な考え方に根ざしていると考える。
本書では、理論のエッセンスを一般の読者に向けてわかりやすく紹介。その斬新さと独創性を体感できる。
理論の提唱者である望月新一教授の特別寄稿も収録!》
コメント
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