『黄金分割』は小林貴子(1959 - )の第4句集。序文:宮坂静生。
著者は「岳」編集長。
花冷や理髪に革砥ありし頃
宇多喜代子さん曰く
山は大きな水のかたまり蕗の薹
アメリカマサチューセッツ州の湖
チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ湖涼し
若者の立居に鎖鳴る晩夏
一月や薔薇星雲を観測す
祖母(おほはは)の化粧箪笥や椿の実
初座敷生者のためのものならず
バーベキューピーマン破裂させてこそ
ヴェネツィアは亡びを急ぎ冬の靄
創(きず)はみな光となりぬ春の玻璃
図書館の高き踏台水の春
福島第一原発 元所長
七月の九日吉田昌郎の忌
本居宣長居
若葉には若葉のものゝあはれかな
真葛原遷都の如く移る雲
霜月や花びらの如ハムを削ぎ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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