『夜汽車』は寺澤始(1970 - )の第1句集。跋文:依田善朗。
著者は「未来図」同人。
あれは火星これは金星あぢさゐ空間
少年の骨の硬さや春の雷
長女「のどか」と命名
聖書読む樹々に触れたる風のどか
ハードロックカーステレオに夏来る
母とゐてケーキの苺崩したる
選びたる赤きルアーや夏うぐひす
静岡 三句 より
花冷や蛇の骨格緻密なる
初御空映す玻璃戸の陛下かな
浅草のバーに春画や初句会
蛇穴を出でて夜汽車の滑り出す
シウマイを生徒に持たす春の駅
映画館の扉重たき昭和の日
立葵天国の鍵のありどころ
顔を見て出席を取る震災忌
鯛焼を食ふとき路地に隠れけり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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