『BARの椅子』は菊地悠太(1984 - )の第1句集。角川春樹による句評を収録。
装幀が2バージョンある。
著者は「河」無鑑査同人。
水底に鈴の音あり山笑ふ
トマト切りあふるるもののありにけり
レールなき銀河の駅を過ぎにけり
キーボードに繋がれてゐる四日かな
バッティングセンターの木椅子にひとりコカ・コーラ
去年の灯を見てゐる今年の橋にゐる
さみどりの雨降る午後や桜餅
幽霊を孕ませてゐる月夜かな
夕ぐれのひかり差し来る文化祭
ジーンズの穴より春の立ちにけり
晩夏光あの日のBARの椅子にをり
酉の市美しき夜空のありにけり
凍滝や珈琲淹れる朝の卓
蛇穴を出づる輪廻の痛みかな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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