『銀河仰ぎし』は朝倉由美(1930 - )の第2句集。
著者は「港」同人。
新茶くむ程好く老いし従妹たち
新樹光身ほとり少し明るくす
白内障手術終りて
癒えし目にとみに澄みゐし冬満月
万緑にとけ入るごとく逝きし姉
氷菓手に若者集ふ爆心地
叔父の名を残しし医院木槿咲く
三国トンネル抜けて枯野となりにけり
術後から記憶途切れてゐし極暑
祖母の火鉢いつも珍味を焼いてゐし
豆撒くや大声出してゐし昔
出征の兄と仰ぎし冬銀河
家族みなゐし日偲びて豆を撒く
木木芽吹く音聞きたくて聴診器
パン沢山提げて子の来し愛鳥日
晩涼や夜汽車の旅のはるかな日
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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