『櫛買ひに』は渡邉美穂(1948 - )の第1句集。序文:ふけとしこ、跋文:内田美紗、帯文:岡田耕治。
著者は「香天」同人。
鰭多き化石の魚や冴返る
囀や豆本講座受講中
土筆煮る遊び午後より兄とゐて
たいくつなものに日時計秋高し
大楠の根の窪みより春蚊出づ
きのふ鷺けふ少年の立つ水辺
花びらの中に目覚めしなめくぢり
小鳥来るアボカドの種剥がすとき
遠花火処分する本積み上げて
金色の指輪の沈む金魚鉢
枯園の明るさを鳥歩きをり
海鳴りや布団の中にある昔
草芳し四人五脚はすぐ倒れ
紋白蝶呼んで弁当開きけり
揺れてゐる芥子から順に切られけり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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