『月のかけら』は木内マヤ(1970 - )の第1句集。序文:福島せいぎ。
著者は「なると」同人、「万象」会員。
鎖骨まで日焼止めして出勤す
逝きてなほ窪み残せりこたつ猫
母が住む離れの手すり注連飾る
秋祭り天狗に子供ついてゆく
ミッキーに見つめ返され冬うらら
徳島に帰れば師走子を抱きぬ
青嵐アルパカの口乱杭歯
クーラーの部屋に八人宿題会
母の横取り合ふ子供春炬燵
草の上ひとまづ止まるしやぼん玉
観桜に行きたがらずに十六歳
卒塔婆(ストゥーパ)の濃墨粘る花曇
廃園に干されしままの金魚鉢
白息を確かめてより登校す
北塞ぐ窓辺に並ぶウイスキー
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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