『リュウグウノツカイ』は福田鬼晶(1950 - )の第1句集。序文:石田郷子。
著者は「椋」会員。
デュフィの青ピカソの青や更衣
妹と問へばいとこやえごの花
萱草の雨の明るき光秀忌
夜濯ぎの男よ眦の吹かれ
復員の駅のカンナをまた言ひぬ
唐辛子かつて秋瑾てふ女
すぐうたふ男とゆくや柿の秋
木の葉散る中にひとあり美しき
星雲のごとき牡蠣食ふ女かな
モッツァレラピッツァ明るき一月よ
リュウグウノツカイ吹寄せ春一番
春北風や馬をらざれば馬のこと
ふらここの揺れを抑へて去りにけり
あふられて春の鷗のくしやくしやに
春昼のいつもどこかに鼓笛隊
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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