『無二』は佐怒賀正美(1956 - )の第7句集。
著者は「秋」主宰、「天為」特別同人。
大花火首都は眼底さらしたる
父八十七歳
誤報出撃せし父にして生身魂
次女暁子 エジプト留学中
小春写メール娘(こ)が抱くエジプトの子猫 佐怒賀正美『無二』15
世界クルーズ(二月一日~二十三日) 四十句 より三句
アフリカの顎骨あたり飛ぶ二月
カーニバル虫の神とて群舞せる
群舞とて紛れぬ肢体カーニバル
マチスならどう描く花の坂の奥
空豆にファラオの眉の如きもの
白梅や髪なびかせて逃ぐる鬼
宇宙地球草餅いびつ寧らけし
もう一周多く走る子さくら咲く
南禅寺
春めくや石庭に石生まれさう
鳥たちの時間に入り込む秋思
神の上に神ありバリの日雷
鯤(こん)ほどに皇居より伸び花の雲
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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