『東京(バビロン)の地下鉄』は白戸麻奈(1969 - )の第1句集。序文:山崎十生。
著者は「紫」同人。
新涼が鏡のようにやって来る
紅葉踏む少年山中で吠える
桜紅葉こうして玉砕初まった
モモンガの四方へ飛びかう我が頭脳
雪女四人ほどいる街かどです
血がにじむほどひとりごと秋深し
深雪晴ハムスターはやわらかい
迷宮の入り口にある夏の雲
秋の声つまりはパイを切り取る音
素足になりて耳長き獣になろう
キリストがキリスト殺す長崎忌
梟が片目で見てた特攻機
少年の裸のような滝だった
落椿切なくキスをするネズミ
カシミアのセーターに触れネズミ喜喜
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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