『酒ほがひ』は鶴岡行馬(1956 - )の第1句集。行馬五句:藤田湘子、序文:小川軽舟、跋文:奥坂まや。
著者は「鷹」同人。
鷄のため貝殻つぶし卒業す
大虚子の忌の荒草を機械刈
古書店の白熱燈と蠅叩
宿帳に敎員と書く秋の暮
稀覯書といへど仙花紙猫の戀
月蝕や柱をのぼる蟻の列
波郷全集重ね散らばり冬に入る
梁に吊す兔や年用意
赫奕と鴨發たす日の昇りけり
傷口に熱あつまれる櫻かな
名月や膝に冷たき百科事典
パソコンに俳句蟹行春疾風
みどりごに團扇をつかふをんなかな
徒然(とぜん)だと母呟きぬ百日紅
にんげんは海に敗れて踊るなり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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