『木星酒場』は津田このみ(1968 - )の第2句集。帯文:坪内稔典。
著者は「船団の会」「里」会員。
春雪や猫は前脚折りたたむ
葉桜や宇宙へ行ける船四つ
アイスコーヒーオジサンはオジサンがきらい
白靴の小林さんが来る真昼
吾はうつぶせ汝はあおむけにて秋思
冬麗のあまたの猫が横座り
百合ひらく寝たふりをする男かな
冬銀河二人はすぐに漂って
モーツァルト聴かせてみたき海鼠かな
切る前にちょっと転がす酢橘かな
一月の川流るるは痛さうな
揚雲雀世界のドアは開いている
秋うらら寝顔ばかりの列車来る
この布団犯されそうに重たしよ
雪の夜の木星という酒場かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。