『上屋敷』は高橋龍(1929 - )の句集。
如月の三角形は四角なり
てふてふが一匹詩(ポエム)を越境してしまつた
接吻(キス)せよと校則にあり入学す
ヒスパニックも都踊りはヨーイヤサー
中心も周縁も陰毛(け)に覆はれる
海豹(あざらし)に水着の跡の残りたる
戦争(いくさ)あり蕃茄(あかなす)腐れゐし頃に
内股の蓮を謎れるオフェリアよ
猿が顔映せば秋の水となる
海沿ひの道山に入る秋の暮
しぐるるや小屋を出てゆく仏たち
一巖に一仏現れる稲光り
木枯や一反もめんぼろぼろに
すべすべの火鉢に股を開きけり
股間交接(またでぬく)/再処女(ポスト・バージン)/御神渡(おみわたり)
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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