今月は外へ出る用事が多かったためか、何も読めない日が多かった。
何かもう疲れて茫然としている。
後半、角川文庫の再読がまとめて入ったので装幀的に大事なのはその辺。
大井廣介『紙上殺人現場―からくちミステリ年表』現代教養文庫・1987年
《松本清張の『点と線』、仁木悦子の『猫は知っていた』がベストセラーとなり、スパイ小説、ハードボイルドが定着し、日本の推理小説の新たな世紀の幕開けとなった60年代。新時代への脱皮を促すため、それまでのタブーを破って辛口批評に徹したこのミステリ批評は、文芸評論・社会評論を本領とする大井廣介の新鮮な切り口ともあいまって、多くのミステリファンの支持を得た。》
高将にぐん『猫耳パイレーツ』プリズム文庫・2012年
《『星の魚』という砂漠の国の宝を盗み、王家の呪いを受けた海賊団。なんとその呪いは、猫の耳としっぽが生えてしまうというものだった!盗賊のリカルドは『星の魚』を奪うために、呪われた海賊団に入団希望する。入団の条件は、船員の一人と戦うこと。自分よりずっと小さなキジと戦って、相手に気に入られてしまい……。リカルドはおかしな海賊団で、お宝を手にできるのか!?》
中村彰彦『保科正之』中公新書・1995年
《徳川将軍家を支えた会津藩主
徳川秀忠の子でありながら、庶子ゆえに嫉妬深い正室於江与の方を怖れて不遇を託っていた正之は、異腹の兄家光に見出されるや、その全幅の信頼を得て、徳川将軍輔弼役として幕府経営を真摯に精励、武断政治から文治主義政治への切換えの立役をつとめた。一方、自藩の支配は優れた人材を登用して領民の生活安定に意を尽くし、藩士にはのちに会津士魂と称される精神教育に力を注ぐ。明治以降、闇に隠された名君の事績を掘り起こす。》
中島河太郎・権田萬治編『現代ミステリー傑作選 人殺しは飽きてしまった』角川文庫・1990年
《ミステリーの味わいは尽きることがない。それは、それぞれの作家の指先がすべての感覚を刺激し、五臓六腑を期待と喜怒哀楽の海へ運んでくれるからかもしれない。そこで、西村京太郎、栗本薫、内田康夫、都筑道夫などの代表的ミステリー作家の作品で、その醍醐味を味わってみたい。
さあ、今宵、ミステリーにどっぷり浸ってみませんか。》
収録作品=壁が見た光景(佐野洋)/回春連盟(西村京太郎)/保証人(栗本薫)/隠すよりなお顕れる(天藤真)/想像殺人(内田康夫)/谷津少佐の死(井沢元彦)/汚点(海渡英祐)/残酷な写真(小林久三)/のぞき見するシルビア(都筑道夫)
増田正造『世阿弥の世界』集英社新書・2015年
《シェークスピアに二世紀先立ち、能という希有な演劇を日本文化に輝かせた巨人、世阿弥。魅力の美学『風姿花伝』を出発点に、世界に冠たる芸術論の確立。時空を超えて現代に花咲く能の名作の数々。義満の寵愛と最晩年の佐渡配流。栄光と悲劇の謎をどう見るか。
筆者は、観世華雪の能に開眼し、桜間弓川に師事。世阿弥の再来と謳われた観世寿夫との交友、観世清和宗家を軸とした映像を録り続け、今も能の美を世に伝える仕事に努める。
世阿弥の世界への新しい切り口と共に、能への誘いとして、類書とは異なるユニークな入門の書。》
隈研吾『対談集 つなぐ建築』岩波書店・2012年
《空間の市場化を推し進めたグローバル経済の破綻,そして東日本大震災は,建築の未来をどう変えるのか.失われた人と大地とのつながり,人と人とのかかわりを取りもどす建築とは――.伊東豊雄,岡田利規,佐々木正人,原武史,藤森照信,御厨貴,蓑原敬と語る.建築界の第一線で飛躍をつづける著者の,震災前と後の思考の記録.》
神楽陽子『あの日見たスク水をボクたちは憶えていない』二次元ドリーム文庫・2012年
《海棠司郎は、幼馴染みでもある若葉と亜理紗をメイドとして従え、共同生活を送っていた。しかしある日、彼は頭を打って一日分の記憶を失ってしまう。密かに司郎に想いを寄せる二人はこれを機に、自分と恋人同士だったと思わせようとするが……!?》
川本三郎『物語の向こうに時代が見える』春秋社・2016年
《戦争、戦後の混乱期、高度成長期、そして格差社会の現代。激流の時代を賢明に生きる人々を描いた文学は、私たちに何を語りかけてくるのか。戦後日本とほぼ同じ年齢の著者が、人間のしなやかな強さと優しさを見据えた「時代論」。》
小谷野敦『芥川賞の偏差値』二見書房・2017年
《第1回から最新回まで164作をランク付け! 掟破りの日本文学史
お前の判断基準は何なのだ、と問われるかもしれない。かねて言っている通り、文学にせよ音楽、美術、演劇にせよ、普遍的で科学的なよしあしの判断というのはできない。ただ多くの古典的なものや批評を自分で読んだりして、自己の責任で判断するものだ。もちろんその際に、さまざまな批評用語(これは「批評理論」のことではない)を用いて弁論するのは当然のことだ。しかし、ここで必要なのは「対話的精神」である。自分がよくないと思った作品でも、他人がいいと言ったら、その言に耳を傾ける必要がある。
(本書「まえがき」より)》
設樂國廣[監修]、齊藤優子[執筆]『オスマン帝国六〇〇年史―三大陸に君臨したイスラムの守護者』KADOKAWA・2014年
《ヨーロッパが恐怖した最強のイスラム国家の誕生・隆盛・終焉
現在のトルコに誕生し、アジア・アフリカ・ヨーロッパに君臨したオスマン帝国のおよそ600年にわたる歴史をオールカラーで追う。歴代スルタンの肖像を数多く掲載した、見て楽しめるオスマン帝国本の決定版です。》
町山智浩『ブレードランナーの未来世紀―〈映画の見方〉がわかる本80年代映画カルトムービー編』洋泉社・2006年
《80年代に狂い咲いた映画作家たちの真実!『ブレードランナー』の何が「二つで充分」なのか? 『イレイザーヘッド』の赤ん坊の正体はウサギ? 『ビデオドローム』の変態テレビ局は実在した? 『未来世紀ブラジル』はなぜブラジルなのか?》
島尾ミホ『海辺の生と死』中公文庫・1987年(田村俊子賞)
《幼い日、夜ごと、子守歌のように、母がきかせてくれた奄美の昔話。南の離れ島の暮しや風物。慕わしい父と母のこと。――記憶の奥に刻まれた幼時の思い出と特攻隊長として島に駐屯した夫島尾敏雄との出会いなどを、ひたむきな眼差しで、心のままに綴る。第15回田村俊子賞受賞作。》
飯島耕一『小説平賀源内』砂子屋書房・2002年
《ドゥマゴ文学賞に選ばれた「暗殺百美人」、清盛を描いた「六波羅カプリチョス」に続く、日本の超現実小説、三部作の完結篇。》(「MARC」データベースより)
槇原まき『調教系男子―オオカミ様と子猫ちゃん』オパール文庫・2015年
《「我慢しないでおねだりしてごらん」大好きな彼の言葉責め。緊縛され、敏感になった乳首を這う舌。抵抗できない身体を弄ばれるのは、恥ずかしいけどイヤじゃない。淫具で焦らされながら「可愛いね。どんどん俺好みになってきた」耳元で囁かれると、もっと蜜が溢れてきて――。ドSな上司に身も心も躾けられるエロティックな恋物語!》
J・G・バラード『J・G・バラード短編全集3』東京創元社・2017年
《『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第三巻には本邦初訳の「イルミネーテッド・マン」を含む19編を収録。》
収録作品=ヴィーナスの狩人/エンドゲーム/マイナス1/突然の午後/スクリーン・ゲーム/うつろいの時/深珊瑚層の囚人/消えたダ・ヴィンチ/終着の浜辺/光り輝く男/たそがれのデルタ/溺れた巨人/薄明の真昼のジョコンダ/火山は踊る/浜辺の惨劇/永遠の一日/ありえない人間/あらしの鳥、あらしの夢/夢の海、時の風
神楽陽子『ハレばにユカイ―おさわりは校則違反!』二次元ドリーム文庫・2011年
《兎さんの格好、もといバニースーツが女子の指定制服という学園に入学した弘一。上流階級の嗜みを学ぶはずが、幼馴染みのお姉さん、お嬢様、幼い体型の同級生など、あらゆるうさぎさんがエッチに過激に迫ってくる!!果たして弘一は立派なご主人様になれるのか!?》
田中光二『大滅亡』角川文庫・1980年
《1989年春、報道ディレクター雑賀は、黒潮が赤く染まるのを取材機上から目撃した。赤潮が突然世界の海を襲ったのだ。赤潮により人間に有用な魚介類は壊滅的な打撃をうけた。
すでに人類絶滅への危機の兆は至る所に顕われていた。深刻化する地球的規模での気候悪化。慢性的食糧危機。頻発する奇形出産。それらを上回る終局的パニックの予兆。人々は破局への恐怖におののき、世相はいよいよ虚無的様相を深めていった。たとえば「安楽死教団」――。そうした中で、種としての「人類」65億の存亡に際し、人類を絶滅から款うという大義名分を盾に、超国家規模での悪魔的陰謀が着々進行していた……。
鬼才田中光二が、未来における人類存続の可否を鋭く問うた傑作P・F。》
A・モラヴィア『無関心な人びと』角川文庫・1970年
《全てに関心を失っている美青年ミケーレ。母の情夫が美しい姉を犯す時も,いつものように平静だった。ローマのブルジョワ家庭の性的頽廃とモラルの崩壊を仮借なく描いて発禁に処されたこの作品は、著者が21歳の時発表され、カミュの「異邦人」に先立ちヨーロッパ最初の実存小説と言われる。その後の文学に決定的な影響を与えた問題作。》
小松左京『見知らぬ明日』角川文庫・1973年
《新聞記者山崎はテレタイプを見て、「中国で何かが起っている…」とつぶやいた。文革の収拾期、新疆ウイグル自治区にかけられた宇宙人の攻撃は、中米ソに微妙な影響を与え、ついには日本にまで波及した。「明日」も又「今日」と変らぬと信じている人々に人類は存続しうるかと鋭くせまる問題の書! 「日本沈没」と並ぶ注目の名著。》
筒井康隆『農協 月へ行く』角川文庫・1979年
《他人の迷惑もなんのその、あつかましいバイタリティで外国語の辞書にも載った“ノーキョー”さんが月へ行く。無重力の宇宙船の中で、上を下へのドンチャン騒ぎ、酒や芸者を強要する土地成金ぶりだ。ところが、無人のはずの月面で不思議な光景を目撃、そのニュースが電波にのるや、地球上は大混乱に……「農協月へ行く」。
世界は沈没、いまや陸地は日本だけしかない。そこは島国根性まる出しの日本人、故国を失い救助を求める有名外人に、無理難題をあびせかけ抱腹絶倒の大混乱!……「日本以外全部沈没」など、奇想天外な世界を創造する著者が、その真骨頂を披露する最高傑作七篇収録。》
収録作品=農協 月へ行く/日本以外全部沈没/経理課長の放送/信仰性遅感症/自殺悲願/ホルモン/村井長庵
川又千秋『海神の逆襲《コマンド・タンガロア》』徳間文庫・1983年
《風巻研一はかつては天才彫刻家ともてはやされたが、その後はフリーのジャーナリストとなってベトナムで死線をさまよった。しかし彼はさらに新たなる人生を求めてシドニー港を後にし、太平洋縦断航海に挑んだ。途中、大嵐に襲われヨットは大破、航行不能となった。そこへ得体の知れぬ海獣が現われ、謎の海域へ艇を曳航した――!! 南海の楽園によみがえった神話的世界を舞台にくりひろげられる海洋冒険活劇!》
栗本慎一郎『都市は、発狂する。―そして、ヒトはどこに行くのか』カッパ・サイエンス・1983年
《◎なぜ都市では女がきれいに見えるのか。◎なぜ一寸法師は都でもてはやされたのか◎なぜアンノン族は金沢に行きたがるのか。◎なぜ都市では松田聖子を見つめてはいけないのか。◎なぜ寺山修司は上野駅に通ったのか。◎織田信長や徳川家康はどうして天下を取れたのか。◎日本をあやつる闇の空間はとこか。……◎本書は、思いがけない問いを発しながら、いながらにして読者を謎の冒険旅行へと誘う。ひとりの学者が漂流する。ブダペスト、トランシルヴァニア、プラハ、パリ、ロンドン、博多、金沢、奈良、そして東京へと。◎そこに隠された謎とは何か。なぜヒトは都市を作ったのか。ヒトにとって都市とは何か。なぜ都市が「大自然」で、ムラは「反自然」なのか。ヒャクショーと都市のイナカッペの違いはどこか。◎すべてわかって、旅費はたったの六百八十円。安いよ、安いよ! 推理小説より面白い!》
アラン・ロブ=グリエ『ニューヨーク革命計画』新潮社・1972年
《殺人、強姦、麻薬、融解、スパイ、ポルノ………
怪物都市ニューヨークの風俗を独自の〈眼〉が捉える!》
《たえず《横の方向》へ脱線しながらもそこで物語を形成しようとし、脱線したらしたで、そこでまた別の物語を形成しようとする。だが、やがて脱線に気がついてものへ戻ろうとするのであるが、その時生じる物語はもとの物語の単純な続きではなく、すでに一度脱線したことによって、どちらとも共通点をもちながら違った物語となってしまう。(……)この《遊び》の組織原理は、年代記的順序でもなく因果関係でもなく、いわゆる《現実》との照応という意味でのまことらしさでもない。言語それ自体の機能するメカニズムがすべてであるが、実は、それこそ真の現実の構造にいっそう相似的に照応するものではないのか》(「訳者あとがき」より)
グイード・ピオヴェーネ『冷たい星』河出書房新社・1971年(ストレーガ賞)
《地理的にも現実の「生」から隔絶されたこの世界は「死」の象徴とも取れる。この世界の暮らしは、ダンテのウェルギリウスならぬ哲学者警官によってみちびかれる。さらに、読者の意表をついてドストエフスキーがよみがえり、自ら経験した死の世界について語ったあと、姿を消す。警官の哲学論も、ドストエフスキーの描く来世図も主人公の心をなぐさめるどころか、いよいよ虚無的な方向へ追い立てる。(……)冷静な筆で、死を見すえながら書かれた哲学的、幻想的な物語と片づけてしまうには、これはあまりにもなまなましい小説である。ここには、作者が自分の存在そのものを賭けたような緊迫感と現実感が感じとれる。そして、そこにこそ、作者ピオヴェーネの身上があるのだ》(千種堅「解説」より)
戸川昌子『蒼ざめた肌』徳間文庫・1982年
《洋裁学院講師である桑原実子は、夫との性生活にかすかな疑惑を抱いていたものの、その突然の失踪には心当たりは全然なかった。
同じ頃、学院の生徒が絞殺死体で発見され、現場には夫のタイピンが落ちていた。
事件の真相を追って、実子は夫の同僚山之内とともに大阪、博多、沖縄、そしてパリへと探索をつづけるが、そこには実子の知らざる夫の姿があった……。同性愛者の心の軌跡を描いて性の深淵を抉る長篇推理。》
近藤富枝『鹿鳴館殺人事件』C★NOVELS・1986年
《元男爵夫人で戦後、アメリカの将校や政財界の大立物と浮名を流した小河原三千代――彼女の自伝の出版を祝う舞踏会が渋谷のパブ鹿鳴館で開かれた。ところが、パーティのさなかに突然、出火、華やかな鹿鳴館スタイルのドレスで来客をもてなしていたホステスの中田マリが死体で発見された。そして三千代の著書がことごとく姿を消してしまったのである。事件の謎を追う東亜テレビの女性ディレクター夏川てるひの目の前で次の殺人が……。幕末の埋蔵金、慶長小判の行方をめぐって欲望と怨念が渦巻く人間模様を描く長篇ミステリー。》
《著者のことば はじめての長篇推理小説です。明治維新のときの旧募臣たちの恨みが、現代にもなお息づいている事実を知り、モメントになりました。それにしても鹿嶋館時代の女人たちのドレスであるバッスルはどうしてあんなにステキなのでしょう。ワルツに乗って据を翻えし、わたしも踊ってみたい……。》
大藪春彦『狼は暁を駆ける』角川文庫・1982年
《鋭い顔に長くのばしたモミアゲ。ソフトをアミダにかぶり、コルト・ギャランGTO・MRのハンドルを握るヤクザっぽい男、その名は秘密捜査官・西城秀夫。
いま彼は九州に向かっていた。仕事は九州一円にはびこる組織暴力団を壊滅させることだ。カーフェリーで誘いをかける謎の美女の出現。強引に襲撃を仕掛けてくる殺し屋ども……。西城秀夫愛用の、自動拳銃ベレッタ・ピューマが、轟然と火を噴くときがきた! 西城秀夫の活躍する名作ハイウェイ・ハンターシリーズ第3弾。》
大藪春彦『曠野に死す』角川文庫・1982年
《北海道の陸上自衛隊駐屯地で突然吹き上がる爆風と火柱。警衛たちは挽き肉の固まりのようになって吹っ飛ぶ! 自衛隊にもぐり込んでいだた“反戦協会”のメンバーが、武器を奪った上に、火薬庫に時限爆弾を仕掛けたのだ。
任務は、ハイウェイ・ハンター西城秀夫にまわってきた。奪われた武器、弾薬を奪回し、反戦協会を壊滅させよというのだ。死を恐れぬゲリラ組織を相手に西城の鬼気迫るスーパー・アクション!
大阪を舞台に、西城秀夫が活躍する「血と鉄の鎮魂歌」を併録。》
加納一朗『背信の荒野』角川文庫・1984年
《日本グランプリ・レースを数日後にひかえて、服部耕一は富士山麓のサーキットで試走中、事故を起こした。路面にたまっていたオイルのせいだった。幸いにも、左脚に軽い打撲症を負っただけですんだ。
その帰途、御殿場へぬける山道で、服部は急に睡魔に襲われ、同乗していた浅倉悦子に運転を代わってもらった。ふたたび事故を起こしたのは、その直後のことだった。わざと接触してきた何者かの車のために、道路わきの岩に激突、病院に収容された。悪戯にしては度を越している。彼は誰かに狙われているのだろうか!?
それから数日が経って、こんどは病院内で大事件が起こった。サスペンス長編ミステリーの決定版!》
ブライアン・オールディス『ありえざる星』創元推理文庫・1970年
《60年代にイギリスSF界の“新しい波”の旗頭としてバラードとともに登場したブライアン・オールディスが描く注目すべき未来社会テーマの作品集。頂点に達した人類の進歩、地球の文明を継承するものはだれか? 人間に取って代わるものはなにか? 機械文明の中で人間は復活できるのか? 底流にペシミスティックな雰囲気を漂わせる彼一流のSF世界の総決算として、初期から現在までの作品のうち珠玉の14編を出版者の要請によって、作者自身がまとめた傑作短編集。》
収録作品=だれが人間にかわれる?/不滅/跫音/外がわ/黙劇/新・サンタクロース/未来/哀れ小さき戦士!/橋の上の男/ありえざる星/協定の基盤/死の賛歌/技巧の一種/彼の時間の男
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