『カラスの放心』は松井眞資(1938 - )の第2句集。
作者は2011年「浮巣」(天休翼主宰)終刊後、同人誌「花水木」「蜻蛉句帳」所属。
春眠覚めやわらかき手も失せており
死の床にモンローの微笑春灯
洗濯機のオルガスムスや小六月
葉桜や色鉛筆の置手紙
網戸なるあやうい仕切り赤子佇つ
マネキンの顔挿げ替える二月尽
噴水に白き手を入れ泳がせし
投げ入れてあり大花瓶に蠅叩
古書店の秘密の部屋に扇風機
精虫我卵子目前昼寝覚
赤い羽根少女ら包囲せばめくる
東京駅地下は果てなきクリスマス
大根の群れつぎつぎと滝に入る
ゴミ屋敷のゴミがうれしい穴まどい
行く秋の人体模型にためらい傷
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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